種子植物
種子植物タヌキモ科

ムラサキミミカキグサ

Utricularia uliginosa Vahl, Utricularia yakusimensis Masam.

選定理由	全国的に減少が著しく、府内でも自生地は限られている。
形態	やや有機物が混じる湿地にはえる一年草。匍匐茎と葉は地面にあり、夏から秋に花茎を立ち上げる。葉はミミカキグサやホザキノミミカキグサとくらべて細長く、大きい。花は藍紫色、ときに白色がかる。果実は耳かき状。ホザキノミミカキグサの花は淡い紫色で、距が前方へ突出する（ムラサキミミカキグサは下方に向く）。ミミカキグサは、花が黄色。 ◎参照　日本の野生植物草本Ⅲ（平凡社）138、原色日本植物図鑑草本編Ⅰ（保育社）121
分布	北海道、本州、四国、九州、インドからオーストラリア。 ◎府内の分布記録区域　丹後地域、南丹地域、京都市域（絶滅に近いが、現状不明）、山城地域南部。
生存に対する脅威	湿地の開発や遷移、乾燥、マニアによる採集。
必要な保全対策	上記の要因を防ぐほか、山裾の湿地を重点的に保全すべきである。
特記事項	山城地域南部には、まだ比較的多くの自生地が残っていることが判明した。ただ、湿地の遷移が進行中で、予断を許さない状況である。

執筆者　光田重幸

絶滅寸前種