コイ目 コイ科
カネヒラ
京都府カテゴリー | 絶滅危惧種 |
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2002年版 | 絶滅危惧種 2002年版を参照する |
環境省カテゴリー | なし |
選定理由 | タナゴ類の中では比較的安定した個体数が維持されており、全国的には絶滅の危険性が低い種と見なされているが、府内における生息地は限られている。 |
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形態 | タナゴ類の中では大型で、体長約13cmに達する。体は側扁し、体高は高い。側線は完全で、1対の短い口ひげを持つ。肩部には三角形の顕著な濃青紫色の暗色斑があり、体側後半から尾柄部中央に青緑色の縦帯が見られる。 |
分布 | 濃尾平野以西の本州、九州北西部、朝鮮半島西部に分布する。また、関東地方や宮城県などに移殖され定着している。 ◎府内の分布区域 淀川水系の各河川(桂川、宇治川、木津川、琵琶湖疏水など)に分布する。 |
生態的特性 | 河川の中、下流域および農業用水路など、タナゴ類の中では比較的流れの速い場所に生息する。食性は植物性を主とした雑食性である。産卵期は9月中旬から11月で、イシガイやタテボシガイなどのイシガイ科二枚貝の鰓腔内に産卵する。 |
生息地の現状 | 現在、桂川や鴨川をはじめとする淀川水系各河川で生息が確認されているが、各生息地における詳細な生息状況は不明で、特に保護対策は行われていない。 |
生存に対する脅威 | 河川改修による生息場所の消失、産卵基質となるイシガイ科二枚貝の減少による再生産の阻害、肉食性外来種による食害および飼育目的での乱獲が脅威である。 |
必要な保全対策 | 生息場所およびイシガイ科二枚貝の保全、肉食性外来魚の侵入および乱獲の防止が必要である。また、生息状況を把握するために定期的な生息実態調査を実施することが望ましい。 |
文献 宮地(1935)、長田(1977、1978、2001)、中村(1969)
執筆者 山野ひとみ