コイ目 ドジョウ科
ヨドコガタスジシマドジョウ ※スジシマドジョウ類の分類変更(細分化)
京都府カテゴリー | 絶滅種 |
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2002年版 | 絶滅寸前種 2002年版を参照する |
環境省カテゴリー | 絶滅危惧ⅠB類(EN) |
選定理由 | 宇治川の氾濫原に生息していたが、1996年以降記録がなく、本種のハビタットがほとんど失われている。 |
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形態 | 体長はオス5cm、メス6cmになる。オスの胸鰭に生じる骨質板は丸い。胸鰭から腹鰭までの筋節数は11~13。尾鰭基部表層の斑紋の発達は悪く、背側斑紋は眼径より小さく、腹側斑紋は不明瞭である。尾鰭後縁の縁取りは細い。体側表層の縦帯は細くしばしば不完全。深層に淡黒色の色素帯をもつ。背中線上には横帯状の斑紋が密に並ぶ。斑紋間の隙間には左右2個の小斑紋がある。 |
分布 | 淀川、宇治川。 ◎府内の分布区域 府内では、宇治川のみに分布していた。 |
生態的特性 | 淀川ではワンドに多く見られた。宇治川では柳などの茂る岸に近い、水の撚れたところに多く確認された。産卵期は、5~7月。増水時に河川敷にできる浅い一時的水域に産卵する。雑食性。 |
生息地の現状 | 府内では宇治川のみから報告があり、局所的に分布していたと考えられる。1996年以降採集例がなく、絶滅したものと思われる。 |
生存に対する脅威 | 河川改修によるタマリ、ワンドの減少、都市化、水田の圃場整備など氾濫原環境の消失・悪化が絶滅の原因と考えられる。 |
必要な保全対策 | 伏流水と浅い水域が存在するタマリやワンドの回復を図る必要がある。 |
その他 | 日本固有亜種 |
文献 斉藤(1993、2001、2005)、中島ほか(2012)、Nakajima(2012)
執筆者 川瀬成吾