シダ植物
イワヒバ科
イワヒバ科
ヒメクラマゴケ
Selaginella heterostachys Baker
京都府カテゴリー | 絶滅危惧種 |
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2002年版 | リスト外 |
環境省カテゴリー | なし |
近畿レッドデータブックカテゴリー | なし |
選定理由 | 府内の産地はもともと少なく、山城地域にまれに産する程度であったが、近年自生地の改変が多く、ほとんど見ることができなくなった。 |
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形態 | 民家の石垣や岩陰に小群生する。茎には二型性があり、秋から春の匍匐茎と、夏から秋に胞子嚢穂を付ける直立茎とで、形態がかなり異なる。匍匐茎の腹葉は卵形の鋭頭~鈍頭、細鋸歯縁でやや密に開出して付く。背葉は狭卵形の鋭尖頭、細鋸歯縁で先端は長く伸びて反りかえり、交互にまばらに付く。直立茎の主軸は太く、まばらに側枝を出して葉を付ける。胞子を付ける部分の葉は、腹側のものは小さく先端が細長く伸び、背側のものは大きく鋭尖頭となる二型。匍匐茎は晩秋に紅葉する。 ◎参照 日本の野生植物 シダ(平凡社)54、原色日本羊歯植物図鑑(保育社)20 & 255 |
分布 | 本州(静岡県・福井県以西)、四国、九州、台湾、中国大陸南部、インドシナ。 ◎府内の分布記録区域 山城地域。 |
生存に対する脅威 | 自生地である石垣などの改変、植生の遷移。 |
必要な保全対策 | 稀少種であることの周知。 |
改訂の理由 | 工事や遷移で著しく減少した。 |
特記事項 | 府内では、ときにタチクラマゴケに似た大型の系統が見られる。 |
執筆者 光田重幸