シダ植物
ハナヤスリ科
ハナヤスリ科
トネハナヤスリ
Ophioglossum namegatae M. Nishida et Kurita
京都府カテゴリー | 絶滅寸前種 |
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2002年版 | リスト外 |
環境省カテゴリー | 絶滅危惧Ⅱ類(VU) |
近畿レッドデータブックカテゴリー | 絶滅危惧種A |
選定理由 | 2002年版レッドデータブック発行後に府内で確認されたもので、近畿地方の産地は大阪府に次いで2例目である。少数の個体しかなく、ほかの植物の繁茂や植生の遷移もあり、生存基盤は危うい。 |
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形態 | 河川氾濫原のヨシ原に見られる小型のシダ植物。根茎は地中を這い、葉は4月に地表に出て、7月には地上部が枯れる。展開した長さ8~20cmの栄養葉は広披針形~卵状三角形、鋭頭~円頭、長さ2.5~11cm、幅1~4cm、基部はくさび形で、長さ1~2.8cmの葉柄に流れる。葉の表面には、細かな皺状隆起が見られる。胞子嚢穂は長さ1.5~3.5cm。胞子外膜には細かい網目模様がある。染色体数n=240の4倍体。 ◎参照 日本の野生植物 シダ(平凡社)64 |
分布 | 本州(茨城、栃木、千葉、大阪、京都)。 ◎府内の分布記録区域 京都市域。 |
生存に対する脅威 | 植生の遷移による暗化。 |
必要な保全対策 | 河川の氾濫がめったに起こらなくなったため、毎年ヨシ刈りを行い、明るさを保つ必要がある。 |
改訂の理由 | 府内でに発見された稀少種。 |
特記事項 | 自生地では2年続けてヨシ焼きが行われず、群落が壊滅的打撃を受けた。残存個体数はわずかである。府内のものはコヒロハハナヤスリとの雑種ともいわれ、検討が必要である。 |
執筆者 光田重幸