選定理由 | 京都府内では過去および現在ともに情報不足だが、全国的に絶滅が危惧されている種であるため、注目に値する。 |
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形態 | 雌雄同株。体長は30cm程度。結実枝と不結実枝は同形で、輪生枝は2~3回分枝するが、ときに1回、あるいは4回分枝するものも見られる。最終枝は2細胞性で、伸長する。雌雄両器は輪生枝の節部に生じる。卵胞子は暗褐色で、楕円体、螺旋縁は6~7本。卵胞子膜は顆粒状または虫様の模様を持つ。 |
分布 | アジア、オーストラリアに分布し、日本では本州(埼玉県以南)、九州、四国に生育する。 ◎府内の分布区域 京都市北区大宮釈迦谷の尺八池。京都市北区上賀茂狭間町の深泥池で、過去に記録がある。 |
生態的特性 | 主にため池や湖沼に生育する。 |
生育地の現状 | 記録産地の再調査およびその他の地点での調査では確認されなかった。記録産地の池では水質の悪化が原因と思われる透明度の低下が見られた。 |
生存に対する脅威 | 水質悪化、管理放棄、護岸整備。 |
必要な保全対策 | 府全域をカバーする生育分布調査による現状把握が必要である。 |
文献 Allen(1898)、Imahori(1954)、今堀、加﨑(1977)、環境省(2000)
執筆者 坂山英俊、加藤将