選定理由 | 夏鳥として府内に生息して繁殖する。繁殖個体数は少なく、近年減少している。 |
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形態 | 全長13cm。サメビタキ属3種の中では最も小さい。体の上面は少し褐色味のある灰色、目先の上は白い。下面は少し不明瞭な縦線がある。幼鳥は頭部、背、翼に灰白色の斑点が散在する。 ◎近似種との区別 サメビタキは胸から脇が灰褐色。風切羽や雨覆に淡褐色の羽縁がある。 |
分布 | ユーラシア大陸北東部で繁殖し、東南アジアやインドへ渡る。国内では夏鳥として九州以北に渡来する。府内には夏鳥として全域に渡来するが、個体数は少なく近年減少している。 ◎府内の分布区域 全域。 |
生態的特性 | 平地から山地の明るい落葉広葉樹林に渡来する。枝に止まって見張り、飛んでいる昆虫を見つけると追って採食する。樹木の横枝に椀形の巣をつくり、一腹4~5卵で、メスのみが12~14日間抱卵する。12~14日間育雛する。 |
生息地の現状 | 府内の山地で少数が繁殖するほか、秋の渡りの時期に各地で観察される。1980年代には京都府立植物園でも営巣していたが、現在営巣情報はない。府内の繁殖情報も減少している。 |
生存に対する脅威 | 人目を触れる場所で営巣する場合は人の撹乱が営巣に影響する。 |
必要な保全対策 | 営巣地により人による撹乱を防ぐ必要がある。 |
文献 日高(監)(1997)、京都府(1993)、真木、大西(2000)、高野(1982)
執筆者 須川恒、和田岳