選定理由 | 春秋の渡りの時期に旅鳥として府内に滞在する。滞在する個体数は極めて少ないが、近年減少はしていない。 |
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形態 | 全長25cm。姿、形はチュウジシギと酷似する。尾が短いため寸詰まりに見える。翼から尾の突出はジシギ類の中で最も少ない。尾羽は22~28枚(通常26枚)。外側尾羽6~8対は短く、幅は1~2mmでほとんど羽軸だけの針状羽であり、野外で見えることもある。 ◎近似種との区別 オオジシギとチュウジシギは大きくて尾が長い。 |
分布 | ユーラシア大陸の北部で繁殖し、中国南部、フィリピンなどで越冬する。国内では旅鳥として全国に渡来する。府内では極めて少数が春秋の渡りの時期に確認される。 ◎府内の分布区域 北部地域、南部地域。 |
生態的特性 | 水田、蓮田、川や沼の岸辺に生息し、主に小型無脊椎動物を採食する。繁殖環境は森林内の湿地で、一腹3~4卵である。 |
生息地の現状 | 府内では極めて少数が毎年通過しているものと思われるが、確認されるのはほとんど落鳥や保護された場合である。 |
必要な保全対策 | 渡来情報を継続的に蓄積することが課題である。 |
文献 日高(監)(1996)、京都府(1993)、真木、大西(2000)、日本野鳥の会京都支部(2013a)、高野(1982)
執筆者 須川恒、和田岳