選定理由 | 留鳥として年中府内に生息する。繁殖個体数は極めて少ないが、近年減少はしていない。 |
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形態 | 全長オス54cm、メス64cm。翼開長155~175cm。翼は細長くて尾は短い。頭部は白くて過眼線が黒く、体の上面は黒褐色。体の下面は白く、胸に黒褐色の帯がある。翼の下面には白色が多い。 |
分布 | 北半球全体に広く分布し、国内では主に北日本で繁殖するが、近畿地方でも少数が繁殖する。海岸部に多いが、冬期、内陸部の河川や湖沼にも広く出現する。府内では北部地域の一部で繁殖し、冬期は各地の河川に飛来する。 ◎府内の分布区域 全域(繁殖期は北部地域の一部)。 |
生態的特性 | 停空飛翔した後、飛び込んで魚をとらえる。主食はスズキ、コイ、マス、フナ、ナマズなどの魚。海岸の孤立した岩の上や樹上で営巣する。産卵期は3月下旬頃で、産卵数は1~4個。抱卵日数は約37日。育雛期間は50~60日で、平均は53日。繁殖開始年令は3才くらいといわれている。 |
生息地の現状 | 府北部地域の海岸域の比較的集落に近い山林内で、複数の営巣確認が続いている。冬期は淀川水系や由良川水系などの河川や湖沼等に出現する。 |
生存に対する脅威 | 海岸域で営巣する場合に、釣り人のために親が巣に近づけず、カラスに雛をとられるおそれが生じている。 |
必要な保全対策 | 巣場所によっては立ち入り禁止等の対策が必要となる。 |
文献 日高(監)(1996)、京都府(1993)、増田(1998、1999ab)、高野(1982)
執筆者 須川恒、和田岳