はじめに |
ホンダワラは、丹後地方では「ジンバ」と呼ばれ古くから食用とされてきました。さくさくとした食感と特有の磯の香りが好まれ、色々な料理に用いられています。海藻には健康に役立つ成分が多く含まれ、繊維質が多く低カロリーであることから、最近の健康食ブームでその需要はますます拡大する傾向にあります。ところが、天然のホンダワラは分布している海域が限られている上に、年による豊凶の差が大きいので、養殖による生産の安定とさらなる増産が望まれていました。
養殖を行うためには、大量の種苗を安く安定して入手できることが必要です。そして、海面養殖施設の資材費や設置費用が安価であること、養殖作業が過重でないこと、種苗の歩留まりが良好であること、質の良い製品ができ、販売先が確保されていることなどが養殖実用化に向けた重要な課題になります。海洋センターではホンダワラの種苗を簡易な装置で大量に効率よく生産できる技術を開発するとともに、人工種苗を用いた海面養殖実用化のための試験研究を行いました。 この冊子では、ホンダワラの生態と種苗生産技術、海面養殖技術について紹介します。京都府沿岸でホンダワラ養殖が盛んになり、丹後の特産品としてのホンダワラの価値がますます高まることを期待しています。 |
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