(3) 物理的環境(続き)
資源の長期的変動とは異なりますが、短期的には冷水塊の接岸などの水塊配置の変化に応じて、回遊性浮魚類の分布状況が変化することは一般的に言われている現象です。昨年(平成13年)1〜4月の極端なカタクチイワシの不漁(平成11年の同時期の0.7%の漁獲)は、この水塊配置の変化によるものではないかと考えています(図13−1,2)。すなわち、この時期の若狭湾沖への冷水塊(100m深の水温水平分布図の中で相対的にまわりの水温より低い水塊)の張り出しが、その前年までに比べて明らかに弱く、そのためカタクチイワシの分布域が広がり、沿岸域に漁場が形成されなかったのではないかと考えています。平成14年の3月下旬までの状況も同様に推移していました。現段階で、このような事例を長期変動傾向と明確に区別することは難しいですが、今後の資源動向に注目していく必要があると考えられます。
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