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ミヤベモクはホンダワラ科の海藻で、丹後の海では舞鶴湾、宮津湾、阿蘇海、久美浜湾などの内湾の低潮線付近で見ることができます。特に、阿蘇海の男山や文珠地先にはミヤベモクの大きな群落があり、成熟期となる5~6月頃には船上から容易に確認することができます。ミヤベモクは同じ内湾域で見られるウミトラノオと間違えられることがありますが、ウミトラノオより少し深いところで多く見られること、葉が大きいことで区別ができます。
ミヤベモクは、ホンダワラやアカモクなどのホンダワラ科海藻に比べ知名度が高くないものの、阿蘇海で繁茂する唯一の大型海藻で、同海域の多様な生物達に棲み場、餌場、産卵場を提供しているだけでなく、二酸化炭素や栄養塩類の吸収といった環境の浄化にも役立っています。
(平成23年7月27日 久門道彦)
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