京都ジョブパーク 総合就業支援拠点
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平成17年8月4日(木曜)午前10時30分から12時15分まで
平安会館羽衣の間
久本憲夫(京都大学大学院経済学研究科教授)
岡本博公(大学コンソーシアム京都インターンシップ事業推進室代表幹事)
坂口俊一(京都商工会議所中小企業経営相談センター所長)
中谷維伸(宇治市副市長)
原田紀久子(特定非営利活動法人アントレプレナーシップ開発センター事務局長)
細田一三(日本労働組合総連合会京都府連合会副事務局長)
向井仲和美(京都経営者協会専務理事)
上田正(瑞穂町助役)
宗田好史(京都府立大学人間環境学部助教授)
伊藤務(京都府福祉人材・研修センター所長)
杉本一久(社団法人京都府保育協会理事)
野村浩(京都私立病院協会事務局長代理)
「常用雇用等安定雇用の創出・拡大」という表現が気になる。企業側も正社員雇用に向けて努力すべきだ、と認識しているが、就業形態は多様化しているため、実際には難しいだろう。常用雇用という表現について、改めて検討してはどうか。
ここでいう「常用雇用」は、「臨時的雇用」に対応するものとして使っており、正社員常勤にこだわっているわけではない。それなりの期間安定的に働く、ということで、それを幅広く表現したものである。安定的に働くための形態としては、派遣やパートなど、色々考えられるだろう。
企業に就職するだけが全てではない。イタリアなどで多い「職人企業」(経営者自身も職人として働く)のような、高いスキルを売りにしたフリーランスの専門家(=職人)があるが、今後はこういったものも、雇用の受け皿となり得るのではないか。
直接雇用と関係ないかもしれないが、就職指導などを行う教員自身に企業での就業経験がない、ということは、かなり根本的な問題としてあると思う。進路指導の際の三者懇談に、最近では企業の担当者が加わった四者懇談を行っている学校もある。
教育の内容にしても、就職につなげるためには基本的なコミュニケーション能力等も含めた人格形成教育を行っていく必要がある。ジョブカフェも将来的には若年者の人間形成センターのような機能も必要になるかもしれない。
ある京都の会社が開発したHQ(人間力指標、ヒューマンスキルを客観的かつ定量的に測定したもの)を、進路指導の教員が希望職種への適合性を見るために使っている、という事例があり、なかなか評判が良いようである。
参考:株式会社ジェイ・エス・エル(外部リンク)
昨年まで、商工会議所で二人の方に「新規雇用開拓アドバイザー」としてベンチャー企業を中心に助成金のPR等の業務を行ってもらっていた。今年はその二人ともがベンチャー企業に雇い入れられることになった。二人とも金融機関等において経理などの専門知識を持っていたことも再就職の原因ではあるが、こういう形で個人と企業とを「強制マッチング」させた効果もあるかもしれない。
ひきこもりの学生に、寝たきりの老人の世話をさせる、という取組を行うことで、ひきこもりから脱した、という事例があった。こういったショック体験と言うか、感動体験プログラムのようなものは、ニートへの対策として効果があるかもしれない。
文科省も初等教育が重要だとしており、この会議でも教育について話が出ているが、キャリア教育には2つの側面があるのではないか。一つは人間としての基礎能力・教養などを伸ばす「人間形成支援」の側面。もう一つは職業選択の能力などを伸ばす「職業観・仕事観の育成支援」である。それぞれについて、念頭に置いておく必要があるだろう。
初等教育においては、「チームで何かをやる」「人に頭を下げて何かを頼む」といった経験を積む機会が乏しいことから、そういうことを体感できるような取組があれば良い。
「中小企業を担う人材の育成」と言っても、時とともに求める人材は変わっていく。キャリア教育も含めて、何を目指すのかを明確にして、ターゲットを絞る必要があるだろう。
「就農を希望する者への支援」とあるが、実際の現場では後継者不足が深刻で、人材の確保が急務となっている。支援という程度ではなく、大きなテーマとしてもらいたい。
「府北部へのUターン対策の実施」とあるが、府北部では医師・看護士が不足している。こういった人材のUターンについて、是非推進してもらいたい。
団塊の世代の大量離職問題について、「65歳まで働ける社会の構築」とあるが、実際どれくらいの人が65歳まで働きたいのだろうか?色々な考えの人がいるのだから、60歳で辞めることも、65歳まで働くことも選択できるようにする必要があるだろう。
本日いただいたご意見を参考にして、事務局で次期計画の中間案を作成する。次回の全体会議は、9月5日(月曜)13時から、「若年者就業支援センター運営協議会」と併せて開催する予定である。その中で、中間案についてご検討いただきたい。
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