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平成29年度第15週の報告です。
感染性胃腸炎の京都府全体での定点当たり報告数は、4.18件と大きく変化はありません。
流行性耳下腺炎、A群溶血レンサ球菌咽頭炎、咽頭結膜熱(プール熱)、突発性発疹の発生数にも特に変化はありません。インフルエンザは定点あたり2.44と減少傾向にありますが、全国的には学級閉鎖の報告が依然続いています。流行が終わったと考えず、手洗いうがいに留意してください。またインフルエンザを疑う症状が出た際は適切なタイミングで医療機関を受診してください。
全数報告対象の感染症は、結核が5件、カルバペネム耐性腸内細菌感染症・侵襲性肺炎球菌感染症と梅毒がそれぞれ 1件報告されました。
また、基幹定点の報告として、ロタウイルスによる感染性胃腸炎が12件、眼科では流行性角結膜炎が9件報告されています。
今週はロタウイルスによる感染性胃腸炎が多く報告されています。感染性胃腸炎の流行は毎年年末年始にピークがありますが、ロタウイルス胃腸炎は年末から報告されるようになり、ピークは春先になります。通常2日間の潜伏期間をおいて発症し、主に乳幼児に急性胃腸炎を引き起こします。主症状は下痢(血便、粘血便は伴わない)、嘔気、嘔吐、発熱、腹痛であり、通常1〜2週間で自然に治癒します。ロタウイルスは遺伝子型が異なってもある程度の交差免疫が成立するため、感染を繰り返すごとに症状は軽くなっていきます。1度ロタウイルスに感染した後も再感染を繰り返しますが、重症化に対する防御効果がみられることがしられています。この特性を利用し、ロタウイルス胃腸炎の重症化を予防する目的としてロタウイルスワクチンが2種類あります(ロタリックス、ロタテック)。それぞれの接種スケジュールや違いはワクチン情報を参考にしてください。ほぼすべての幼児が感染しますが、成人の感染も20〜30歳代と50〜60歳代をピークとして認めます。オムツの適切な処理、手洗いの徹底、汚染された衣類等の次亜塩素酸消毒などによる処置が感染拡大防止の基本となりますのでロタウイルス胃腸炎が家族内で発生した際は感染拡大に注意しましょう。
分 類 | 報 告 |
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1類感染症 | 報告がありません |
2類感染症 | 結核が 5件 報告されました |
3類感染症 | 報告がありません |
4類感染症 | 報告がありません |
5類感染症 | カルバペネム耐性腸内細菌感染症・侵襲性肺炎球菌感染症と梅毒がそれぞれ 1件 報告されました |
■基幹定点
感染性胃腸炎(ロタウイルス)が 12件 報告されました
■眼科定点
流行性角結膜炎が 9件 報告されました