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平成29年度第10週の報告です。
インフルエンザの報告数は定点あたり8.35件と減少し、警報レベル以上の発生数を認めている地域も南丹、右京区、南区のみとなっています。高齢者施設などでの集団感染が報告されていますので、引き続き留意してください。
感染性胃腸炎の京都府全体での定点当たり報告数は、4.29件と先週と大きく変化していません。
流行性耳下腺炎、A群溶血性レンサ球菌咽頭炎、咽頭結膜熱(プール熱)の発生数は特に変化はありません。
全数報告対象の感染症は、結核が6件、オウム病が1件、カルバペネム耐性腸内細菌感染症・後天性免疫不全症候群・水痘(入院例)と麻しんがそれぞれ1件、侵襲性肺炎球菌感染症が2件報告されました。
また、基幹定点の報告として、ロタウイルスによる感染性胃腸炎が3件とマイコプラズマ肺炎が4件、眼科定点では流行性角結膜炎が5件報告されています。
今週麻疹感染が1件報告されました。麻疹ウイルスはヒトからヒトへの空気感染(飛沫核感染)の他に、飛沫感染、接触感染など様々な感染経路で感染します。感染後に潜伏期10〜12日を経て38 ℃前後の発熱で発症します。特徴的な所見として、コプリック斑があります。発疹が出現する1〜2 日前頃に頬粘膜に、約1mm 径の白色の斑点としてあらわれます。コプリック斑は発疹出現後2日目の終わりまでに消失し、その後2峰性発熱とともに、特有の発疹が耳後部、頚部、前額部より出現し、翌日には顔面、体幹部、上腕におよび、2日後には四肢末端にまでおよびます。発疹出現後3〜4日間で解熱します。多くは対処療法で改善しますが、中耳炎などの合併症もみられ、肺炎や脳炎で死に至ることもあります。
本邦ではワクチン接種により、2015年3月にWHOより麻疹排除状態にあると認定されています。しかし、最近各自治体で輸入麻疹の報告が散見されます。感染力が非常に強い感染症であるため、東南アジアなどの海外渡航歴があり、発熱患者を診た際は「輸入麻疹」を鑑別に加え、病歴および必要に応じて麻疹IgM/G両抗体の測定を考慮ください。
分 類 | 報 告 |
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1類感染症 | 報告がありません |
2類感染症 | 結核が 6件 報告されました |
3類感染症 | 報告がありません |
4類感染症 | オウム病が 1件 報告されました |
5類感染症 |
カルバペネム耐性腸内細菌感染症・後天性免疫不全症候群・水痘(入院例)と麻しんが それぞれ1件、 侵襲性肺炎球菌感染症 が 2件 報告されました |
■基幹定点
マイコプラズマ肺炎が4件、
感染性胃腸炎(ロタウイルス)が 3件 報告されました
■眼科定点
流行性角結膜炎が 5件 報告されました