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平成29年度第9週の報告です。
インフルエンザの報告数は先週よりさらに減少し、定点あたり11.17件となっています。山城南、西京区、伏見区の発生数は警報レベル以下になりましたが、乙訓、中丹西、南丹、山城北、右京区、南区、山科区において依然警報レベルが持続しています。感染予防に引き続き留意してください。
感染性胃腸炎の京都府全体での定点当たり報告数は、4.04件と先週と大きく変化していません。
流行性耳下腺炎、A群溶血性レンサ球菌咽頭炎、咽頭結膜熱(プール熱)の発生数は特に変化はありません。
全数報告対象の感染症は、結核が9件、後天性免疫不全症候群が1件、侵襲性肺炎球菌感染症が2件報告されました。
また、基幹定点の報告として、ロタウイルスによる感染性胃腸炎とマイコプラズマ肺炎がそれぞれ3件、眼科定点では流行性角結膜炎が2件報告されています。
インフルエンザの流行は終息にむかいつつあります。一方、基幹定点の報告対象疾患であるマイコプラズマ肺炎は、今年に入ってから毎週報告が続いています。以前は異型肺炎と称されていましたが、現在では異型肺炎という病名は使われなくなってきています。本邦での感染症発生動向調査からは、晩秋から早春にかけて報告数が多くなり、罹患年齢は幼児期、学童期、青年期が中心です。潜伏期は通常2〜3週間で、初発症状は発熱、全身倦怠、頭痛などであり、咳は初発症状出現後3〜5日から始まり、解熱後も3〜4週間続きます。
胸部レントゲン所見ではびまん性のスリガラス様間質性陰影のほか、大葉性肺炎像、肺胞性陰影、間質性陰影、これらの混在など、多様なパターンをとることが知られています。
確定診断には補体結合反応(CF)、間接赤血球凝集反応(IHA)にてペア血清で4倍以上の上昇を確認、もしくは単一血清においてそれぞれ64倍以上、320倍以上の抗体価で判断します。マイコプラズマは細菌に分類されますが、他の細菌と異なり細胞壁を持たないので、ペニシリン、セフェムなどの細胞壁合成阻害の抗菌薬には感受性がなく、マクロライド系やテトラサイクリン系、ニューキノロン系薬剤にて治療します。特異的な予防方法はなく、流行期には手洗い、うがいなどの一般的な予防方法の励行と、患者との濃厚な接触を避けることが必要です。
分 類 | 報 告 |
---|---|
1類感染症 | 報告がありません |
2類感染症 | 結核が 9件 報告されました |
3類感染症 | 報告がありません |
4類感染症 | 報告がありません |
5類感染症 | 後天性免疫不全症候群が 1件、侵襲性肺炎球菌感染症が 2件 報告されました |
■基幹定点
マイコプラズマ肺炎と感染性胃腸炎(ロタウイルス)が
それぞれ 3件 報告されました
■眼科定点
流行性角結膜炎が 2件 報告されました