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平成29年度第6週の報告です。
インフルエンザの報告数は先週より8ポイント程度減少し定点あたり24.70件となっています。ピークはすぎたと考えられますが、乙訓の定点あたり40.86件、京都市南区での38.00件をはじめとして、中丹西、南丹、山城北、山城南、右京区、西京区、伏見区、山科区において警報レベルが持続しています。インフルエンザ感染は終息しておらず気温の低い日が続いているため引き続き感染予防に留意してください。
感染性胃腸炎の京都府全体での定点当たり報告数は、3.43件とやや減少しています。
流行性耳下腺炎、A群溶血性レンサ球菌咽頭炎の発生数は特に変化はありません。
乙訓で警報レベルが続いていた咽頭結膜熱(プール熱)は今週は警報レベル以下となっています。
全数報告対象の感染症は、結核が11件、細菌性赤痢、A型肝炎、アメーバ赤痢・急性脳炎・クロイツフェルト・ヤコブ病・侵襲性インフルエンザ菌感染症がそれぞれ1件、侵襲性肺炎球菌感染症が3件、梅毒が2件報告されました。
また、基幹定点の報告として、細菌性髄膜炎とマイコプラズマ肺炎がそれぞれ1件、眼科定点では流行性角結膜炎が8件報告されています。
「赤痢」と呼ばれる病気には、細菌性赤痢とアメーバ赤痢があります。今週定点報告においてともに報告されていますが細菌性赤痢の原因は赤痢菌(Shigella)であり、アメーバ赤痢は赤痢アメーバという原虫の感染を原因とする別の病気です。赤痢菌には、4種類(Shigella dysenteriae、S. flexneri、S. bodydii、S. sonnei)知られていますが、重症になりやすいS.dysenteriae感染は減り、軽症で経過する例の多いS. sonnei感染の割合が増えています。
細菌性赤痢は、患者の便に汚染された手指や食べ物を原因として、経口感染により拡がります。感染力が強く少ない菌量でも感染しうるため、二次感染に対して注意が必要です。
アメーバ赤痢の原因は大腸に寄生する赤痢アメーバと呼ばれる原虫の一種です。栄養型(いわゆるアメーバー運動をして活発に動く)と嚢子型の2つの形態を取り、外部環境に強い嚢子型を摂取することで経口感染します。具体的には海外旅行などで汚染された飲食物を摂取することや性行為が原因で感染し、典型例は粘血便などの下痢、テネスムス(しぶり腹)、腹痛で発症します。まれに肝膿瘍や脳・肺・皮膚などの腸管外に合併症を来します。
原因は異なりますが、ともに赤い便(赤痢)をきたし、感染地域である海外で生水、氷、生野菜や生の魚介類、カットフルーツなどから感染することが多いです。海外渡航の折には、厚生労働省検疫所(FORTH)ホームページ( http://www.forth.go.jp/)などで、前もって渡航先の国の感染情報などを見て、予防策を確認するようにしてください。
分 類 | 報 告 |
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1類感染症 | 報告がありません |
2類感染症 | 結核が 11件 報告されました |
3類感染症 | 細菌性赤痢が 1件 報告されました |
4類感染症 | A型肝炎が 1件 報告されました |
5類感染症 |
アメーバ赤痢・急性脳炎・クロイツフェルト・ヤコブ病と侵襲性インフルエンザ菌感染症が それぞれ 1件、 侵襲性肺炎球菌感染症が 3件、梅毒が 2件 報告されました |
■基幹定点
細菌性髄膜炎とマイコプラズマ肺炎が それぞれ 1件
報告されました
■眼科定点
流行性角結膜炎が 8件 報告されました