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平成28年度第52週の報告です。
感染性胃腸炎の京都府全体での定点当たり報告数は、7.13件と低下し、京都市内の流行も、左京区、東山区のみで警報レベルが続いています。全国的にも流行は収束に向かっています。
かわってインフルエンザが今週はもっとも報告数が多い疾患となりました。定点あたり7.93件とさらに増加し、中丹西、南丹、乙訓、山城北、山城南、京都市南区で注意報レベルとなっています。全国的にも感染者数が増加しており、流行期に入ると考えられます。
流行性耳下腺炎の山城南での流行が継続しており先週からやや増加し注意報レベルが続いています。
咽頭結膜熱(プール熱)の局地的な流行は今週も続いており、乙訓、右京区で警報レベルが続いています。
全数報告対象の感染症は、結核が5件、アメーバ赤痢、侵襲性肺炎球菌感染症がそれぞれ1件報告されました。
また、基幹定点の報告として、マイコプラズマ肺炎が6件、眼科定点では流行性角結膜炎が6件報告されています。
インフルエンザウイルスはその複製の過程で変異をおこすといわれています。その中には抗インフルエンザウイルス薬に対する耐性を獲得するような変異もあります。耐性ウイルスは現在のところ病原性が強くなることは示されていませんが、本来有効である治療薬に対し有効性が低下します。これまでにA型インフルエンザウイルスのうち、H1N1型の一部にオセルタミビル(タミフル)耐性ウイルスが存在することが報告されています。このウイルスは他の抗ウイルス薬であるザナミビル(リレンザ)には現在のところ耐性を生じていません。またインフルエンザワクチンは現在報告されている耐性ウイルスにも効果があるとされています。
我が国は世界でも有数の抗インフルエンザ薬使用国です。国立感染症研究所では薬剤耐性株のサーベイランスを実施し随時報告しています。
耐性ウイルスであっても通常のインフルエンザでも予防方法に変わりはなく、手洗いうがい、休養とバランスのとれた栄養摂取、適度な湿度、咳エチケットを励行しましょう。
分 類 | 報 告 |
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1類感染症 | 報告がありません |
2類感染症 | 結核が 5件 報告されました |
3類感染症 | 報告がありません |
4類感染症 | 報告がありません |
5類感染症 | アメーバ赤痢と侵襲性肺炎球菌感染症が それぞれ1件 報告されました |
■基幹定点
マイコプラズマ肺炎が 6件 報告されました
■眼科定点
流行性角結膜炎が 6件 報告されました