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平成28年第50週の報告です。
感染性胃腸炎の京都府全体での定点当たり報告数は、16.39件と再び増加しています。京都市内の流行は続いており、右京区が定点当たり27.60件、左京区44.50件、東山区で20.50件、伏見区で20.57件、西京区で17.60、南区で20.33件と先週よりもさらに感染は広がり警報レベルが続いています。加えて中丹東で定点あたり20.60件、乙訓で44.50件と府内でも警報レベルが広がっています。全国的には定点あたり20件を超えており今後も流行の拡大が危惧されます。
インフルエンザも定点あたり3.37件と増加しています。まだ警報レベルには達していませんが先週から流行入りしており今後の感染拡大に注意してください。
RSウイルス感染症の報告数は定点当たり0.50件、A群溶血性レンサ球菌咽頭炎の報告数は定点当たり1.21件と横ばいで推移しています。
流行性耳下腺炎の定点当たりの報告数は府全体では0.79件ですが、山城南では3.33件と注意報レベルとなっています。
咽頭結膜熱(プール熱)が局地的に流行をみせており、乙訓で定点あたり3.25件、右京区で2.60件と警報レベルとなっています。京都では3年ぶりの水準であり全国的にも徐々に感染者数が増大しています。
全数報告対象の感染症は、結核が7件、レジオネラ症が1件、梅毒が1件報告されました。
また、基幹定点の報告として、マイコプラズマ肺炎が5件、眼科定点では流行性角結膜炎が1件報告されています。
毎年流行をみせるインフルエンザですが、特に高齢者や慢性疾患、糖尿病をもつ方の場合、細菌感染を合併し重篤化することが知られています。ワクチンや日頃の手洗い、うがいで予防に努めてください。また、小児で感染した場合、急激に意識状態が悪化する脳症をときに起こすことがあります。厚生労働省の調査によると毎年50-200人のインフルエンザ脳症患者が報告されており、そのうち約10-30%が死亡しています。詳しい機序はわかっていません。インフルエンザ脳症の治療に関しては確立されたものがなく、専門医療機関での集中治療が必要です。解熱剤のうちアスピリンやジクロフェナクナトリウム、メフェナム酸は脳症を悪化させる可能性があるため小児には使用しないように、とされています。
このように小児のインフルエンザでは命に関わることもあるため、インフルエンザが疑われる際は安易に解熱剤の内服をせず医療機関を受診してください。
分 類 | 報 告 |
---|---|
1類感染症 | 報告がありません |
2類感染症 | 結核が 7件 報告されました |
3類感染症 | 報告がありません |
4類感染症 | レジオネラ症が 1件 報告されました |
5類感染症 | 梅毒が 1件 報告されました |
■基幹定点
マイコプラズマ肺炎が 5件 報告されました
■眼科定点
流行性角結膜炎が 1件 報告されました