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平成28年第42週の報告です。
感染性胃腸炎の京都府全体での定点当たり報告数は、3.97件とさらに増加し全国レベルでも4.36件と増加しています。
流行性耳下腺炎の定点当たりの報告数は1.22件と増加しました。依然収束にはいたっていませんので感染拡大予防に注意ください。京都市西京区で注意報レベルに達しています。
A群溶血性レンサ球菌咽頭炎の報告数は定点当たり1.20件と増加傾向です。今後乾燥や寒冷にともない例年流行がみられますのでご注意ください。
咽頭結膜熱(プール熱)の報告は定点あたり0.32件、RSウイルス感染症の報告は定点当たり1.07件と低下しています。
ヘルパンギーナ、手足口病、突発性発疹は報告数の増加はみられません。
全数報告対象の感染症は、結核が6件、腸チフスが1件、デング熱が1件、急性脳炎・侵襲性髄膜炎菌感染症、侵襲性肺炎球菌感染症がそれぞれ1件、梅毒が3件報告されました。
また、基幹定点の報告として無菌性髄膜炎が1例報告されているほか、今週もマイコプラズマ肺炎が7件報告されています。
髄膜炎菌(Neisseria meningitidis)による侵襲性感染症のうち、本菌が髄液または血液から検出された感染症を侵襲性髄膜炎菌感染症と定義します。潜伏期間は2〜10日(平均4日)で、感染経路は飛沫感染です。年間30万人の発症に対し3万人が死に至る致死率の高い疾患です。髄膜炎例では、頭痛、発熱、髄膜刺激症状の他、痙攣、意識障害、乳児では大泉門膨隆などを伴います。敗血症例では、発熱、悪寒、虚脱を伴い、重症化をきたすと紫斑の出現、ショックならびにDICに進展することがあります。本感染症の特徴として、点状出血が眼球結膜や口腔粘膜、皮膚に認められ、また出血斑が体幹や下肢に認められます。治療として、ペニシリンGないし第三世代セフェム系抗菌薬が経静脈的に投与されます。感染拡大予防として、予防内服が接触者に勧められています。日本でも平成27年5月から髄膜炎菌ワクチン接種が可能となりましたので、アフリカ中央部など流行地域に渡航する人や髄膜炎菌による重い疾患にかかる危険性が高い人には接種が勧められています。
分 類 | 報 告 |
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1類感染症 | 報告がありません |
2類感染症 | 結核が 6件 報告されました |
3類感染症 | 腸チフスが 1件 報告されました |
4類感染症 | デング熱が 1件 報告されました |
5類感染症 | 急性脳炎・侵襲性髄膜炎菌感染症と侵襲性肺炎球菌感染症が それぞれ 1件 、梅毒 が 3件 報告されました |
■基幹定点
無菌性髄膜炎が 1件、
マイコプラズマ肺炎が 7件 報告されました
■眼科定点
急性出血性結膜炎が 1件、
流行性角結膜炎が 6件 報告されました