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平成28年第31週の報告です。
感染性胃腸炎の京都府全体での定点当たり報告数は減少、3.64件となりました。食中毒の報告も散見されますので、引き続き手洗いや消毒、食品の取り扱いにご注意ください。
流行性耳下腺炎の定点当たりの報告数が1.11件に減少しましたが、乙訓地区は警報レベルが続いています。全国的に1.2件前後と、依然として例年にない高水準で流行が続いていますのでご留意下さい。
手足口病の定点当たり報告数はやや増加し1.59件となり、伏見区の警報レベルが続いています。
ヘルパンギーナの定点当たり報告数は1.46件と横ばいで、山城北地区および伏見区の警報レベルが続いています。全国では定点当たり報告数が3.6件の流行が続いていますのでご留意ください。
A群溶血性レンサ球菌咽頭炎の報告は定点当たり0.86件に減少しました。全国的には1.5件程度の報告です。
咽頭結膜熱(プール熱)の京都府下の報告は横ばい、定点当たり0.32件でした。
京都府では報告が少ないのですが、全国的には流行性角結膜炎(はやり目)の報告が定点当たり0.8件で引き続いて流行しています。
夏風邪疾患、特にヘルパンギーナと手足口病、加えて流行性耳下腺炎の流行が続いており、引き続き対策が必要です。うがいや手洗いをこまめに行い、プールなどでの感染予防、タオルの共有を避けて目を洗う、などの対応をお願いします。
全数報告対象の感染症については、結核が14件、レジオネラ症が1件、アメーバ赤痢・急性脳炎および侵襲性肺炎球菌感染症がそれぞれ1件報告されました。
結核の報告が14件ありました。肺結核は年間約2万人が発病する、依然として身近な疾患です。先進国の多くが低蔓延国(10万人当たりの罹患率が10を切る)であるのとは対照的に、日本は中蔓延国(平成26年の罹患率が15.4)です。かつて蔓延していた時期に結核に感染した人が、高齢化により免疫力が低下し、さらにがんや糖尿病などの病気を合併していることから発病するケースが多く、なかなか減らないのだと考えられます。平成26年の新規登録患者の7割が60歳以上でした。発病者から空気感染した後、初期症状が風邪と似ているために受診が遅れたり、症状がなく気づかないまま周りに感染拡大することもあるようです。咳や痰、微熱が2週間以上続く様な場合には、夏風邪ではなく結核や肺炎球菌による肺炎である可能性があります。特にご高齢の方は症状に表れにくいので、早めの医療機関の受診をご検討ください。
分 類 | 報 告 |
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1類感染症 | 報告がありません |
2類感染症 | 結核が 14件 報告されました |
3類感染症 | 報告がありません |
4類感染症 | レジオネラ症が 1件 報告されました |
5類感染症 | アメーバ赤痢・急性脳炎と侵襲性肺炎球菌感染症が それぞれ 1件 報告されました |
■基幹定点
マイコプラズマ肺炎が 5件、
クラミジア肺炎が 1件 報告されました
■眼科定点
流行性角結膜炎が 2件 報告されました