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平成28年第23週の報告です。
感染性胃腸炎の京都府全体での定点あたり報告数は先週の6.82件から7.00件に増加しました。市内左京区17.75、右京区13.00などの報告がやや多くなっています。食中毒の起こりやすい季節になりましたので、手洗いや食品の取り扱い、消毒に留意して下さい。
A群溶血性レンサ球菌咽頭炎の報告は増加し、定点あたり1.99件でした。主な症状である咽頭痛・発熱がみられましたら、早めに医療機関を受診してください。
ヘルパンギーナの報告が続けて増加しており、定点当たりの報告数が0.91件となりました。
咽頭結膜熱(プール熱)の京都府下の報告はやや増加し定点あたり0.36件でした。全国的に増加しており、およそ0.8件となっています。7-8月のピークに向けてさらに増加していくことが予想されますので、プールなどでの感染にご注意ください。
流行性耳下腺炎の定点あたりの報告数はやや減少し0.87件、乙訓の注意報レベルも解除されました。依然として例年にない流行が全国的に続いていますのでご注意下さい。
伝染性紅斑の報告は定点あたり0.41件に増加しており、山城南地区の警報レベルも続いています。
全数報告対象の感染症については、結核が9件、腸管出血性大腸菌感染症が2件、A型肝炎、カルバペネム耐性腸内細菌感染症・侵襲性肺炎球菌感染症、および梅毒がそれぞれ1件報告されました。
増加が続くヘルパンギーナは、発熱と口腔粘膜の水疱性発疹を特徴とし、夏期に流行する小児の急性ウイルス性咽頭炎、『夏かぜ』の代表的疾患です。エンテロウイルス属、特にA群コクサッキーウイルスによる事が多く、接触感染を含む糞口感染と飛沫感染によって拡がります。数日間の潜伏期の後、突然の発熱に続いて咽頭粘膜の発赤、口腔内水疱が出現します。患者のほとんどが4歳以下で、熱性けいれんを伴なったり、口腔内の疼痛のため不機嫌、拒食、哺乳障害、それによる脱水症状などを認めることがあります。2〜4日程度で解熱し、続いて粘膜疹も消失する良好な経過が一般的で、治療は発熱や脱水症の対応が中心です。ただし、エンテロウイルス感染症は多彩な病状を示す疾患であり、髄膜炎、急性心筋炎などをまれに合併することがあり、頭痛・嘔吐や心不全徴候に注意が必要です。鑑別診断として、単純ヘルペスウイルス1型による歯肉口内炎、手足口病(手足にも水疱を認める)、アフタ性口内炎(発熱を伴わない)などがあげられます。手足口病なども同様ですが、症状軽快後も3-4週間は大便にウイルスが含まれるという報告があります。
夏場の感染症への対応として、タオルや食器は共用せず、眼をこすらないよう注意して、引き続きうがい・手洗いの徹底をお願いします。食品衛生やオムツの処理にもご注意ください。
分 類 | 報 告 |
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1類感染症 | 報告がありません |
2類感染症 | 結核が 9件 報告されました |
3類感染症 | 腸管出血性大腸菌感染症が 2件 報告されました |
4類感染症 | A型肝炎が 1件 報告されました |
5類感染症 | カルバペネム耐性腸内細菌感染症・侵襲性肺炎球菌感染症と梅毒が それぞれ1件 報告されました |
■基幹定点
マイコプラズマ肺炎が 4件、
感染性胃腸炎(ロタウイルス)が 1件 報告されました
■眼科定点
流行性角結膜炎が 3件 報告されました