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平成28年第20週の報告です。
感染性胃腸炎の京都府全体での定点あたり報告数は先週の7.45件から6.99件になりました。市内左京区19.00、右京区15.60、南区10.33、東山区10.00などの報告がやや多くなっています。食中毒の起こりやすい季節になりましたので、ノロウイルスなどを念頭に、引き続き石けんでの手洗いや食品の取り扱いに留意し、感染者の嘔吐物や便は次亜塩素酸ナトリウムを含む塩素系の漂白剤などで消毒処理を行うなどの対策を日常的にお続け下さい。
A群溶血性レンサ球菌咽頭炎の報告は増加し、定点あたり2.05件でした。主な症状である咽頭痛・発熱がみられましたら、早めに医療機関を受診してください。
流行性耳下腺炎の定点あたりの報告数はやや減少し0.84件ですが、中丹東では注意報レベルです。依然として例年にない流行が全国的に続いていますので、引き続きご注意下さい。
インフルエンザの京都府下での定点医療機関当たりの報告数は0.42件でした。
咽頭結膜熱の報告がやや増加し、定点あたり0.41件でした。咽頭結膜熱はアデノウイルスによる感染症で、接触感染、飛沫感染で拡がります。患者は小学校低学年までの小児が多く、集団発生することもあります。38度を超える高熱、咽頭炎・結膜炎が生じて、喉の痛み、目の充血・眼脂・流涙・眼痛を訴えます。
伝染性紅斑の報告はやや増加し、定点あたり0.37件です。山城南地区の警報レベルが続いています。
夏場に流行する感染症の報告が増えてきています。タオルや食器は共用せず、眼をこすらないよう注意して、引き続きうがい・手洗いの徹底をお願いします。
全数報告対象の感染症については、結核が13件、マラリアおよび劇症型溶血性レンサ球菌感染症がそれぞれ1件、梅毒と侵襲性肺炎球菌感染症がそれぞれ2件報告されました。
結核の報告が13件ありましたが、肺結核は依然として年間約2万人が発病する身近な疾患です。多くの先進国が10万人当たりの罹患率が10を切る低蔓延国であるのとは対照的に、日本は平成26年の罹患率が15.4で中蔓延国です。発病する患者数がなかなか減らない原因として、かつて結核が蔓延していた時期に感染した人が高齢化し免疫力が低下すること、さらにがんや糖尿病などの病気を合併していることが考えられます。平成26年の新規登録患者の7割が60歳以上でした。発病者から空気感染し、症状がないまま静かに広がっていくことがあります。また、初期症状が風邪と似ており受診が遅れがちです。咳や痰、微熱が2週間以上続く様な場合には医療機関を御受診ください。予防には原則乳児に定期接種するBCGワクチンが有効です。
分 類 | 報 告 |
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1類感染症 | 報告がありません |
2類感染症 | 結核が 13件 報告されました |
3類感染症 | 報告がありません |
4類感染症 | マラリアが 1件 報告されました |
5類感染症 | 劇症型溶血性レンサ球菌感染症が 1件、梅毒と侵襲性肺炎球菌感染症が それぞれ2件 報告されました |
■基幹定点
マイコプラズマ肺炎が 3件、
感染性胃腸炎(ロタウイルス)が 1件 報告されました
■眼科定点
流行性角結膜炎が 2件 報告されました