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平成28年第11週の報告です。
インフルエンザの京都府下での定点医療機関当たり報告数は、先週の26.81から19.75にさらに減少しました。依然として多くの地区・地域で警報レベルを上回り、市内北区・下京区を除くすべての地区・地域で注意報レベルを超過しています。特に南丹地区(40.89)、丹後地区(31.00)、山城北地区(22.93)、乙訓地区(20.71)や、市内西京区(28.29)、南区(23.40)、右京区(20.75)で多くなっています。外出後の手洗いや部屋の湿度を保つなどの予防策をとり、症状があるときは人混みを避けて咳エチケット・マスク着用を徹底するなど、感染拡大を予防するよう引き続きご配慮下さい。
感染性胃腸炎の京都府全体での定点あたり報告数は5.88件とほぼ横ばいでした。対策として引き続き、石けんでの手洗いや食品の取り扱いに留意し、感染者の嘔吐物や便は次亜塩素酸ナトリウムを含む塩素系の漂白剤などで消毒処理を行って下さい。
A群溶血性レンサ球菌咽頭炎の報告はほぼ横ばい、定点あたり1.49件でした。山科区の警報レベルは解除されましたが、山科区と乙訓地区でやや多くなっています。咽頭痛・発熱がみられましたら早めに医療機関を受診してください。流行性耳下腺炎の定点あたりの報告数が再度増加し0.99件、中丹東では定点あたり6.80件の報告があり、警報レベル が続いています。全国的な流行にご注意下さい。突発性発しんの報告がやや増加し定点あたり0.32件、伝染性紅斑の報告は定点あたり0.23件でした。
全数報告対象の感染症については、結核が6件、A型肝炎・劇症型溶血性レンサ球菌感染症および侵襲性肺炎球菌感染症がそれぞれ1件、後天性免疫不全症候群が2件報告されました。
結核は、毎年新たに2万人程度の患者が発生しており、世界的にみても日本はまだ結核の低まん延国ではありません。結核菌は空気感染により一般的には肺で増えて、咳、痰、呼吸困難等の症状を呈することが多いですが、腎臓、骨、脳など肺以外のあらゆる部位に感染し発症することがあります。また、結核菌に感染してもすぐには発症せず、体内に留まったのちに活動を開始し、遅れて発症することもあります。結核を発症した場合、無治療では死亡率が高いとされており、特に髄膜炎を発症した場合は30%程度の方が亡くなり、治った場合でも後遺症を残すことがあります。発熱・上気道炎などの呼吸器症状・関節痛・倦怠感などが見られましたら、流行が続くインフルエンザやA群溶血性レンサ球菌(溶連菌)、肺結核などを念頭に置いて医療機関を受診の上、診断やその後の治療・対処について指示を受けるようにして下さい。
分 類 | 報 告 |
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1類感染症 | 報告がありません |
2類感染症 | 結核が 6件 報告されました |
3類感染症 | 報告がありません |
4類感染症 | A型肝炎が 1件 報告されました |
5類感染症 | 劇症型溶血性レンサ球菌感染症と侵襲性肺炎球菌感染症がそれぞれ 1件、後天性免疫不全症候群が 2件 報告されました |
■基幹定点
マイコプラズマ肺炎が 7件、
感染性胃腸炎(ロタウイルス)が 3件 報告されました
■眼科定点
流行性角結膜炎が 3件 報告されました