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平成28年第3週の報告です。
インフルエンザの京都府下の報告総数が先週の337件から1052件に著増しました。全国の定点医療機関当たりの報告数が10.56、京都府では8.62となり、特に乙訓・山城北・丹後・南丹地区および左京区・南区では注意報レベルとなりました。府内で学級閉鎖が急増するなどの影響も拡がっています。
感染性胃腸炎の京都府全体での定点あたり報告数は7.50件に再び増加、西京区で警報レベルとなりました。ノロウイルスは新型の流行が懸念されています。石けんでの手洗いや食品の取り扱いに留意し、感染者の嘔吐物や便は次亜塩素酸ナトリウムを含む塩素系の漂白剤などにて消毒処理を行って下さい。
A群溶血性レンサ球菌咽頭炎の報告も定点あたり1.66件と、やや増加しました。
流行性耳下腺炎ですが、定点あたりの報告数は減少し0.61件でした。中丹東では未だ警報が続いていますので引き続きご注意下さい。伝染性紅斑の報告は定点あたり0.51件に減少し、南区では警報レベルの基準値を下回りました。例年にない流行は続いていますのでご注意下さい。咽頭結膜熱の定点あたりの報告数は0.30件と微増、RSウイルス感染症の報告は減少が続き定点あたり0.24件でした。
全数報告対象の感染症については、カルバペネム耐性腸内細菌感染症、クロイツフェルトヤコブ病および侵襲性インフルエンザ菌感染症がそれぞれ1件、侵襲性肺炎球菌感染症が2件報告されました。
ジカ熱が話題となっています。蚊が媒介するジカウイルスの感染後3-12日程度の潜伏期を経て、発熱・頭痛・倦怠感などを発症しますが、特徴的な症状に乏しく、デング熱やチクングニア熱より軽症であることが多いです。ブラジルで先天的に頭部が小さく、脳の発達に遅れが見られる「小頭症」の新生児が急増し、およそ4000件が報告されました。妊娠中のジカ熱の感染との関連が指摘され、CDCが妊婦の流行地域、特に中南米への渡航を控えるよう警告を出しました。WHOは、感染が最大で400万人に上るおそれがあるとし、2月1日に緊急の委員会を開いて「国際的に懸念される公衆衛生上の緊急事態」に当たるかどうか検討する予定としています。小頭症や、神経症状を呈するギラン・バレー症候群との関連などの詳細について調査中ですが、妊婦の方は流行国地域への渡航は可能な限り控えた方が良いと考えられます。
また、インフルエンザの流行が急速に拡がっていますが、さらに拡大し感染者数のピークは2-3週間後になることが予想されます。受験シーズンと重なることもあり、対応にご注意下さい。感染の疑いのある方は咳エチケット・マスク着用や手洗いを徹底していただくようお願いいたします。
分 類 | 報 告 |
---|---|
1類感染症 | 報告がありません |
2類感染症 | 結核が 5件 報告されました |
3類感染症 | 報告がありません |
4類感染症 | 報告がありません |
5類感染症 |
カルバペネム耐性腸内細菌感染症・クロイツフェルトヤコブ病と侵襲性インフルエンザ菌感染症が それぞれ 1件、 侵襲性肺炎球菌感染症が 2件 報告されました |
■基幹定点
マイコプラズマ肺炎と 感染性胃腸炎
(ロタウイルス)が それぞれ 4件 報告されました
■眼科定点
流行性角結膜炎が 1件 報告されました