ホーム >> 感染症情報(週報)
第50週の報告です。
感染性胃腸炎の京都府全体での定点あたり報告数の増加が続き、7.77件でした。左京区の警報レベルが継続しているほか、東山区・右京区・伏見区・西京区で定点あたり10件を超える報告がありました。引き続きノロウイルスなどを念頭に置いて、手洗いや食品の取り扱いについて見直し、感染者との接触、特に嘔吐物や便の取り扱いにご注意下さい。
過去数年に比べかなり多くなっているRSウイルス感染症の報告は、定点あたり2.28件でした。とくに乳幼児の接触・飛沫感染にご留意頂き、手洗いとうがいを励行してください。
インフルエンザの京都府下の報告総数は30件と倍増しましたが、本格的な流行はこれからのようです。できれば年内にインフルエンザの予防接種を受けておき、感冒様症状のある人には近寄らず、手洗いやうがいを励行するなどの対応をお続け下さい。症状のある方は咳エチケットやマスク着用などの対策を必ず行ってください。
流行性耳下腺炎の定点あたりの報告数は0.57件に減少し、中丹東の注意報レベルも解除されましたが、依然として過去5年間の同時期に比べてかなり多い状況が続いています。
A群溶血性レンサ球菌咽頭炎の報告が再度増加に転じたほか、伝染性紅斑がさらに増加し、左京区の警報レベルが続いています。特に伝染性紅斑は全国的に例年にない流行が続いていますのでご注意下さい。
流行性角結膜炎の京都府下での報告総数は6件に減少しました。全国的にも減少してきましたが、例年のこの時期より感染者が多い状態ですので、今しばらく注視が必要です。
その他、水痘の報告はやや減少し、乙訓地区の注意報は解除されました。全国的には咽頭結膜熱の報告が増加し、定点あたりの報告数が0.6件を超えています。
全数報告対象の感染症については、結核が6件、腸管出血性大腸菌感染症・レジオネラ症・カルバペネム耐性腸内細菌感染症および後天性免疫不全症候群がそれぞれ1件、侵襲性肺炎球菌感染症が2件報告されました。
全国的にRSウイルス感染症が乳幼児を中心に流行しています。RSウイルスには1歳までに約半数が、2歳までにほぼ全員が感染し、その後何度もかかります。鼻水・咳・発熱などの症状から“普通のかぜ”と考えてしまいますが、初感染児の25-40%が肺炎や気管支炎になるなど重症化すると言われています。咳やくしゃみのしぶきや接触などにより感染します。特効薬がない上に感染力が強く、たとえば手すりやドアノブについたRSウイルスは、4-7時間は感染力が持続すると言われています。予防が大切ですので、家族全員で手洗いを徹底し、乳幼児の手に触れるものはアルコール消毒するなどの対策をお考え下さい。
分 類 | 報 告 |
---|---|
1類感染症 | 報告がありません |
2類感染症 | 結核が 6件 報告されました |
3類感染症 | 腸管出血性大腸菌感染症が 1件 報告されました |
4類感染症 | レジオネラ症が 1件 報告されました |
5類感染症 | カルバペネム耐性腸内細菌感染症と後天性免疫不全症候群が それぞれ 1件、侵襲性肺炎球菌感染症が 2件 報告されました |
■基幹定点
無菌性髄膜炎が 3件、マイコプラズマ肺炎と感染性胃腸炎
(ロタウイルス)が それぞれ 1件 報告されました
■眼科定点
流行性角結膜炎が 6件 報告されました