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第49週の報告です。
感染性胃腸炎の京都府全体での定点あたりの報告数は再度増加し、6.76件でした。左京区の警報レベルが継続しているほか、東山区・西京区・右京区でも定点あたり10件を超える報告がありました。引き続きノロウイルスなどを念頭に置いて、手洗いや食品の取り扱いについて見直し、感染者との接触、特に嘔吐物や便の取り扱いにご注意下さい。
過去数年に比べかなり多くなっているRSウイルス感染症の報告がさらに増加し、定点あたり2.38件でした。とくに乳幼児の接触・飛沫感染にご留意頂き、手洗いとうがいを励行してください。
インフルエンザの京都府下の報告総数は15件と、少しずつですが増加しています。新年を迎える頃から本格的に流行することが多いので、今のうちにインフルエンザの予防接種を受けておき、感冒様症状のある人には近寄らず、手洗いやうがいを励行するなどの対応をお続け下さい。症状のある方は咳エチケットやマスク着用などの対策を必ず行ってください。
流行性耳下腺炎の定点あたりの報告数が0.78件に増加し、中丹東で注意報レベルになりました。京都府下でも全国的にも過去5年間の同時期に比べてかなり多い状況が続いています。A群溶血性レンサ球菌咽頭炎の報告はやや減少しましたが、伝染性紅斑は増加し、左京区の警報レベルが続いています。特に伝染性紅斑は全国的に例年にない流行が続いていますのでご注意下さい。
流行性角結膜炎の京都府下での報告総数は14件に増加しました。全国的には報告数が減少してきましたが、依然として例年より感染者が多い状態です。
その他、水痘の報告がこの数週間で増加しており、今週は乙訓地区で注意報が出ています。
全数報告対象の感染症については、結核が4件、腸チフス・重症熱性血小板減少症候群・レジオネラ症・急性脳症および梅毒がそれぞれ1件、侵襲性肺炎球菌感染症が3件報告されました。
重症熱性血小板減少症候群(SFTS)は2011年に発表された新しいウイルス、SFTSウイルスによるダニ媒介性の感染症です。2013年1月に海外渡航歴のない方がSFTSに罹患していたことが国内で初めて報告されました。本年12月2日までに日本で166人の感染例の報告があり、うち死亡例は44例です。5-8月の発症例が多く、西日本が中心です。感染経路はマダニ(フタトゲチマダニなど)を介するものが中心ですが、血液等の患者体液との接触による感染も報告されています。SFTSウイルスに感染すると6日から2週間の潜伏期を経て、多くの症例で発熱や消化器症状(食欲低下、嘔気、嘔吐、下痢、腹痛)を発症し、その他頭痛、筋肉痛、意識障害や失語などの神経症状、リンパ節腫脹、血小板減少などに起因する出血症状などがみられます。治療については有効な薬剤やワクチンがありませんので、対症療法となります。従って屋外では腕・足・首も含めて露出を少なくし、マダニから体を守ることが大切です。以下のリンクでマダニ対策についてご覧下さい。
http://www.nih.go.jp/niid/ja/sfts/2287-ent/3964-madanitaisaku.html
分 類 | 報 告 |
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1類感染症 | 報告がありません |
2類感染症 | 結核が 4件 報告されました |
3類感染症 | 腸チフスが 1件 報告されました |
4類感染症 | 重症熱性血小板減少症候群とレジオネラ症が それぞれ1件 報告されました |
5類感染症 | 急性脳炎と梅毒が それぞれ 1件、侵襲性肺炎球菌感染症が 3件 報告されました |
■基幹定点
マイコプラズマ肺炎が 5件 報告されました
■眼科定点
流行性角結膜炎が 14件 報告されました