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第48週の報告です。
感染性胃腸炎の京都府全体での定点あたり報告数は減少し、5.11件でした。左京区の警報レベルは継続しています。ノロウイルスなどを念頭に置いて、手洗いおよび食品の取り扱いを徹底し、患者との接触やその嘔吐物や便の取り扱いに引き続きご注意下さい。
RSウイルス感染症の報告が目立って増加し、定点あたり2.15件の報告でした。これは過去数年にみられなかった流行です。インフルエンザの京都府下の報告総数は12件で、流行はこれからのようです。インフルエンザの予防接種の他、感冒様症状のある人には近寄らず、手洗いやうがいを励行する、などのご対応をお続け下さい。症状のある方は咳エチケットやマスク着用などの対策を必ず行ってください。
A群溶血性レンサ球菌咽頭炎は横ばい、伝染性紅斑の報告数はやや減少しましたが、こちらは左京区で警報レベルとなっています。どちらの感染症も京都府だけでなく全国的に、例年より報告がかなり多い状態が続いていますのでご注意下さい。
流行性角結膜炎の京都府下での報告総数は10件にとどまっていますが、全国的に例年より感染者が多い流行状態が続いています。
流行性耳下腺炎の報告総数も49件と、京都府下でも全国的にも例年よりかなり多い状況が続いています。
その他、南区で12件の水痘の報告があり、注意報が出ています。
全数報告対象の感染症については、結核が2件、アメーバ赤痢・侵襲性肺炎球菌感染症および破傷風がそれぞれ1件報告されました。
破傷風は、主に傷口に破傷風菌が入り込んで感染を起こし、その毒素によりさまざまな神経を障害する感染症で、致死率が約30%と非常に高い病気です。破傷風菌は芽胞の形で土壌中に広く常在していますので、けがをした時にはすぐに洗浄を行い、その後の経過にご注意下さい。体内に侵入した破傷風菌の芽胞は、感染部位で発芽・増殖して破傷風毒素を産生し、強直性痙攣を引き起こします。口が開けられない、顎が疲れるといった症状に始まり、歩行や排尿・排便の障害などを経て、最後には全身の筋肉が固くなって体を弓のように反り返らせ、息ができなくなることもあります。以前は新生児の発生もみられましたが、近年は30歳以上の成人が中心です。抗破傷風ヒト免疫グロブリン(TIG)療法が治療の中心で、早期に診断し発症初期に治療を開始することが重要です。さらに感染部位の充分な洗浄やデブリードマン(感染・壊死した組織を外科的に切除してきれいにする事)を行い、抗菌薬を投与します。ワクチン接種により100%近い方が十分な抗体を獲得すると報告されていますので、予防接種が大切です。
分 類 | 報 告 |
---|---|
1類感染症 | 報告がありません |
2類感染症 | 結核が 2件 報告されました |
3類感染症 | 報告がありません |
4類感染症 | 報告がありません |
5類感染症 | アメーバ赤痢・侵襲性肺炎球菌感染症と破傷風が それぞれ 1件 報告されました |
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■基幹定点
マイコプラズマ肺炎が 3件 報告されました
■眼科定点
流行性角結膜炎が 10件 報告されました