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第45週の報告です。
感染性胃腸炎の京都府全体での定点あたり報告数はほぼ横ばいの6.27件でした。新型ノロウイルスの流行も懸念されていますので、引き続き手洗いおよび食品の取り扱いを徹底し、患者との接触や、その嘔吐物や便の取り扱いにご注意下さい。
RSウイルス感染症の報告は増加し、定点あたり0.82件の報告でした。インフルエンザの京都府下の報告総数は12例に増加しています。インフルエンザの予防接種を含めたご対応をお願いします。
A群溶血性レンサ球菌咽頭炎および伝染性紅斑の報告数は横ばいですが、例年のこの時期より多い状態が続いています。
また、京都府下の流行性角結膜炎の報告総数が9件に増加、流行性耳下腺炎の報告数も増加しており、どちらも全国的に例年より感染者が多い流行が続いています。
患者の咳やくしゃみなどにより飛沫・接触感染する感染症の対策として、感冒様症状のある人に近寄らず、手洗いやうがいを励行するようにしてください。症状のある方は咳エチケットやマスク着用などの対策を行ってください。
全数報告対象の感染症については、結核が2件、腸管出血性大腸菌感染症が1件、アメーバ赤痢が1件、梅毒が2件、カルバペネム耐性腸内細菌感染症および侵襲性肺炎球菌感染症がそれぞれ3件報告されました。
注目すべき感染症としては、梅毒があります。先週の第44週に国内で届け出のあった梅毒は昨年同時期の1.5倍、特に女性では2.0倍となり、増加が顕著となっています。近年、京都府においても梅毒の報告は増加傾向です。梅毒は梅毒トレポネーマ(Treponema pallidum)という細菌による性感染症です。治療の基本はペニシリンやセフェム系の抗生剤で、病期が長いと長期の治療が必要になります。一旦自然軽快したように見えても治療は必要であり、治療後の再感染も起こりえます。感染予防や拡大防止には、性行為の際にコンドームを用いることや、特に感染力の強い第1期及び第2期の患者との性行為を避けることが重要です。
分 類 | 報 告 |
---|---|
1類感染症 | 報告がありません |
2類感染症 | 結核が 2件 報告されました |
3類感染症 | 腸管出血性大腸菌感染症が 1件 報告されました |
4類感染症 | 報告がありません |
5類感染症 |
アメーバ赤痢が 1件、梅毒が 2件、 カルバペネム耐性腸内細菌感染症と侵襲性肺炎球菌感染症が それぞれ3件 報告されました |
■基幹定点
マイコプラズマ肺炎が 1件 報告されました
■眼科定点
流行性角結膜炎が 9件 報告されました