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第37週の報告です。
感染性胃腸炎の京都府全体での定点あたり報告数は、3.12件と横ばいでした。感染予防の対策として手洗いや、食品に触れる回数を減らすことなどが重要と言われています。伝染性紅斑の京都府全体での定点あたりの報告数は、先週の0.51件から今週は0.32件に減少しました。乙訓の警報レベルは継続しています。
手足口病の京都府全体での定点あたりの報告数はさらに減少し、今週は1.04件でした。右京区でのみ警報レベルが続いています。全国平均は未だ4.99件ですので、たとえば旅行などで他府県に滞在された3-5日後、5歳以下の乳幼児などに発疹や発熱を認めましたら、手足口病を疑って手洗い・うがいを心がけ、タオルを共有することによる感染の拡大を避けるようにしてください。またオムツの処理には特にご注意ください。大人が2次感染する可能性もあります。
流行性耳下腺炎の報告が京都府全体で定点あたり0.65件に増加し、中丹東では注意報レベルに達しました。
A群溶血性レンサ球菌咽頭炎の報告がさらに増加しています。新たな発生や感染の拡大にはご注意下さい。先週のコメントで触れました、手足の筋肉が壊死する「劇症型溶血性レンサ球菌感染症」が1件報告されました。今年の累積報告数は、京都府で3件、全国で310件となりました。やや高齢の成人で発症することが多く、致死率が3割と高いため、手足が腫れ始めたらすぐに医療機関を御受診ください。RSウイルス感染症の報告の増加が続き、今週の京都府全体の定点あたり報告数は0.38件でした。さらに増加していくと予想されますので、とくに乳幼児の接触・飛沫感染にご留意頂き、手洗いとうがいを励行してください。
ヘルパンギーナは横ばい、流行性角結膜炎・咽頭結膜熱は落ち着いているようです。
全数報告対象の感染症については、結核が5件、腸管出血性大腸菌感染症が3件、劇症型溶血性レンサ球菌感染症・アメーバ赤痢・カルバペネム耐性腸内細菌感染症および梅毒がそれぞれ1件報告されました。
増加が目立つ流行性耳下腺炎ですが、ムンプスウイルスの感染後、2~3週間の潜伏期を経て耳下腺などの唾液腺が腫れて痛くなる、いわゆる“おたふくかぜ”です。症状は1~2週で改善しますが、痛みや発熱が強い場合には内服薬が処方されることがあります。また髄膜炎、難聴、睾丸炎、卵巣炎、膵炎などの合併症を生じる場合があります。感染経路は飛沫感染・接触感染で、2~7歳の小児に好発し、保育施設などで集団発生する場合もありますので、“おたふくかぜ”が疑われたら速やかに医療機関を受診して下さい。
分 類 | 報 告 |
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1類感染症 | 報告がありません |
2類感染症 | 結核が 5件 報告されました |
3類感染症 | 腸管出血性大腸菌感染症が 3件 報告されました |
4類感染症 | 報告がありません |
5類感染症 | アメーバ赤痢・カルバペネム耐性腸内細菌感染症・劇症型溶血性レンサ球菌感染症と梅毒がそれぞれ 1件 報告されました |
■基幹定点
無菌性髄膜炎が 1件、マイコプラズマ肺炎が 2件 報告されました
■眼科定点
流行性角結膜炎が 8件 報告されました