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第30週の報告です。手足口病は依然として警戒レベルですが、ピークは越えて減少し、京都府全体の定点あたりの報告数が先週の17.81件から11.03件になりました。ただし、京都府の地域別では乙訓24.8件、南丹13.6件、山城南13.3件、丹後11.0件や、京都市内左京区19.3件、右京区18.4件、上京区14.0件、西京区14.0件、南区11.7件、伏見区11.6件など、依然としてほとんどの地域で警報基準を大きく超えており、近畿8府県すべてで警報が発令されています。ヘルパンギーナの報告は、南区で警報が続いていますが、京都府全体では0.89件と先週よりも減少しました。伝染性紅斑も報告数が減少し、南区、西京区、および乙訓地区の警報が解除されました。咽頭結膜熱や感染性胃腸炎、A群溶血性レンサ球菌咽頭炎など、その他の感染症の報告も減少しており、全体に落ち着いています。
夏場に流行する感染症はいったん減少に転じましたが、引き続き@タオルや食器の共用は避け、A眼をこすらないよう注意し、Bうがい・手洗いの徹底は続けて頂くようお願いします。Cオムツの処理にもご注意ください。
全数報告対象の感染症については、腸管出血性大腸菌感染症が5件、結核、細菌性赤痢およびレジオネラ症がそれぞれ1件報告されました。
腸管出血性大腸菌(EHEC)は、少量の菌数(10〜100個程度)でも感染が成立し、ヒトからヒトや、ヒトから食材・食品への経路で感染が拡大しやすいという特徴があります。汚染された水や食品(肉、野菜等)などを介して経口感染し、食中毒の原因となることが知られており、例年6月から10月頃までの夏場に多く報告されています。調理する際には食肉の十分な加熱処理が最も重要ですが、調理器具の十分な消毒や洗浄、手洗いの励行などの衛生に留意することも食中毒の予防に非常に大切です。焼く前の生肉などに使用する箸は使い分けること、食事前の手洗いを十分に行うことで感染を予防してください。溶血性尿毒症症候群(HUS)など重篤な合併症を引き起こすこともあり、とくに低年齢の小児はEHEC感染とその後のHUS発症のリスクが高いと言われています。また例年保育施設における集団発生が多くみられており、オムツ交換時の手洗い、園児に対する排便後・食事前の手洗い指導の徹底や、プールなどの衛生管理にも注意を払う必要があるほか、動物とのふれあいでの感染と推定される事例も報告されているため、動物との接触後の充分な手洗いや消毒にも留意してください。厚労省の食中毒に関するホームページなどを参考に、再度食中毒予防のポイントをご確認ください。
分 類 | 報 告 |
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1類感染症 | 報告がありません |
2類感染症 | 結核が 1件 報告されました |
3類感染症 | 細菌性赤痢が 1件、腸管出血性大腸菌感染症が 5件 報告されました |
4類感染症 | レジオネラ症が 1件 報告されました |
5類感染症 | 報告がありません |
■基幹定点
無菌性髄膜炎・マイコプラズマ肺炎と感染性胃腸炎(ロタウイルス)
が それぞれ1件 報告されました
■眼科定点
流行性角結膜炎が 3件 報告されました