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第23週、手足口病は先週同様に伏見区、右京区および左京区で定点あたりの報告数が警報レベル基準値の5件を超えています。流行性角結膜炎の報告は右京区で定点あたり4.0件、上京区で3.0件あり、京都府全体では定点あたり0.61件、A群溶血性レンサ球菌咽頭炎は京都府全体で定点あたり1.7件とやや減少してはいますが、注意を続けてください。
伝染性紅斑はやや減少しましたが、乙訓で4件、南丹で5件の報告があり、警報レベルが続いています。
咽頭結膜熱もよこばいで、京都府全体の報告数が定点あたり0.58件で、乙訓地区では警報レベルが続いています。
ヘルパンギーナも南区で10件、定点あたり3.3件の報告があり、全体的に夏に多い感染症の流行が本格化してきています。タオルや食器は共用せず、眼をこすらないよう注意して、引き続きうがい・手洗いの徹底をお願いします。
感染性胃腸炎は先週より発生が減少していますが、定点あたり西京区8.5件、東山区9.5件、左京区10.3件、右京区8.8件の報告があります。引き続き手洗いを励行してください。
腸管出血性大腸菌感染症の報告が今週も2例ありました。食中毒予防に努めてください。
他、レジオネラ症、アメーバ赤痢・急性脳炎、侵襲性肺炎球菌感染症がそれぞれ1件報告されました。レジオネラは水環境で繁殖しますので、風呂水など長時間貯めたりせず早めに処理しましょう。アメーバ赤痢の原因は大腸に寄生する赤痢アメーバと呼ばれる原虫の一種です。栄養型(いわゆるアメーバー運動をして活発に動く)とのう子型2つの形態を取り、外部環境に強いのう子型を摂取することで経口感染します。具体的には海外旅行などで汚染された飲食物を摂取することや性行為が原因で感染し、典型例は粘血便などの下痢、テネスムス(しぶり腹)、腹痛で発症します。まれに肝膿瘍や脳・肺・皮膚などの腸管外に合併症を来します。治療はメトロニダゾールの使用を中心に行われます。
侵襲性肺炎球菌感染症は、肺炎球菌による髄膜炎や菌血症、敗血症といった重症の病態です。治療はペニシリン系抗菌薬が第一選択で、予防には肺炎球菌ワクチンの接種が有効です。
分 類 | 報 告 |
---|---|
1類感染症 | 報告がありません |
2類感染症 | 結核が 1件 報告されました |
3類感染症 | 腸管出血性大腸菌感染症が 2件 報告されました |
4類感染症 | レジオネラ症が 1件 報告されました |
5類感染症 | アメーバ赤痢・急性脳炎と侵襲性肺炎球菌感染症が それぞれ1件 報告されました |
■基幹定点
報告がありません
■眼科定点
流行性角結膜炎が 11件 報告されました