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第20週、伝染性紅斑の定点あたりの報告数は、乙訓1.8件、南丹1.4件、中丹東1.0件などが多く、京都府全体で0.41件と過去数年より多い状況です。引き続き皮疹や感冒症状のある方の咳やくしゃみにはご注意ください。
感染性胃腸炎の報告数は第18週と同程度です。乙訓で8.5件、中丹西7.0件、南丹6.4件、京都市内左京区10.3件、西京区10.3件、南区9.7件、右京区9.0件、東山区7.5件、伏見区7.0件の報告がありました。手洗いの徹底を心がけてください。
その他の感染症の報告も第18週とおおむね同程度ですが、A群溶血性レンサ球菌咽頭炎の報告数がやや増加し、依然として手足口病と咽頭結膜熱の報告数は過去数年の平均を上回っています。タオルの共用はせず、うがい・手洗いの励行をお願いします。
腸管出血性大腸菌感染症の報告が1例ありました。腸管出血性大腸菌は食中毒の原因の一つです。手洗いを励行し、食品の衛生に気をつけるようにしましょう。
レジオネラ症の報告が1件ありました。レジオネラは自然界では土壌や川などの水環境に存在していますが、人工的な環境では給湯系、冷却塔、浴場などの水環境中のアメーバなどの原生動物に寄生してその細胞内で増殖します。日本では循環式浴槽が感染源となる事が多く、肺炎などを発病します。感染防御機能の低下した高齢者、糖尿病や悪性腫瘍などに罹患した患者などは発病して重症化しやすく特に問題となります。細胞内寄生するレジオネラの治療は、ニューキノロン系、マクロライド系、テトラサイクリン系などの抗菌薬を使用する必要があります。
侵襲性インフルエンザ菌感染症の報告が1件ありました。上気道に常在するインフルエンザ菌(Haemophilus influenzae)により、肺炎をはじめ、喉頭蓋炎・関節炎や髄膜炎・敗血症などの侵襲性感染症を突発的に発症します。上気道炎や中耳炎を伴って発症することがありますが、臨床症状が特異的でないことも多く、急速に重症化し肺炎や喉頭蓋炎並びにショックを来すことがあります。頭痛、発熱を主体とした髄膜炎を発症し、痙攣、意識障害などを呈することもあります。血液や髄液からの菌の分離・同定あるいはPCR法による菌の遺伝子検出などの検査により診断します。治療はceftriaxone(CTRX)、cefotaxime(CTX)、meropenem(MEPM)あるいはCTX+MEPMなどが用いられることが多いようです。平成25年4月の予防接種法改正によりHibワクチンが定期接種化され、侵襲性インフルエンザ菌感染症が全数把握対象疾患(5類感染症)に追加されています。
分 類 | 報 告 |
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1類感染症 | 報告がありません |
2類感染症 | 結核が 6件 報告されました |
3類感染症 | 腸管出血性大腸菌感染症が 1件 報告されました |
4類感染症 | レジオネラ症が 1件 報告されました |
5類感染症 | 侵襲性インフルエンザ菌感染症が 1件 報告されました |
■基幹定点
マイコプラズマ肺炎が 1件、
感染性胃腸炎(ロタウイルス)が 3件 報告されました
■眼科定点
流行性角結膜炎が 6件 報告されました