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第18週、伝染性紅斑が全国的に流行しています。京都府では現在のところ全国平均を下回っていますが、過去数年を大きく上回る発生状況です。南丹保健所管内では13例の報告があり、引き続き警報レベルに達しています。その他、乙訓保健所管内で5件、西京区7件、伏見区5件、右京区で3件の報告があります。伝染性紅斑はヒトパルボウイルスB19というウイルスによる感染症です。成人での感染も起こりますが、主に小児が罹患して、両頬がリンゴのように赤くなる特徴的な皮しんがでることから「リンゴ病」とも呼ばれます。他に四肢にも網目状の皮疹が出現しますが、皮しんがはっきりせず微熱など感冒症状のみで他の疾患との鑑別が困難な場合もあります。このウイルスに対するワクチンや抗ウイルス薬は無いため、症状に応じた治療が基本となります。潜伏期間は10〜20日で、症状出現後7〜10日ほどで改善します。患者の咳やくしゃみなどによる飛沫・接触感染が主体なので、流行している時期には感冒様症状のある人に近寄らず、手洗いやうがいを励行してください。咳エチケットなども重要です。また、妊婦が感染すると胎児水腫や流産を起こす場合がありますので、妊娠している方や妊娠の可能性のある方は特に注意してください。
感染性胃腸炎の報告は横ばいです。中丹東で定点あたり8.0件、乙訓7.5件、山城北7.2件、東山区15.0件、左京区7.8件、伏見区7.0件の報告がありました。手洗いの徹底を心がけてください。その他、A群溶血性レンサ球菌咽頭炎およびインフルエンザは減少していますが、手足口病と咽頭結膜熱の報告が増加しています。タオルの共用はせず、引き続きうがい・手洗いの励行をお願いします。
麻しんの報告が1件ありました。麻しんウイルスの感染経路は、空気感染、飛沫感染、接触感染で、その感染力は非常に強いと言われています。麻しんは潜伏期10〜12日を経て発症し、1週間ほど発熱が続き体力を消耗します。免疫力が低下するため他の感染症にかかると悪化しやすくなります。また肺炎や脳炎などを合併すると重篤となります。抗ウイルス薬など特異的治療法はなく、対症療法が治療の中心です。麻しんはワクチンにより予防ができる感染症です。お子様の定期接種は忘れずに受けるようにしましょう。また、麻しんにかかったことがなく、ワクチン未接種の人は、かかりつけの医師にご相談ください。
分 類 | 報 告 |
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1類感染症 | 報告がありません |
2類感染症 | 結核が 4件 報告されました |
3類感染症 | 報告がありません |
4類感染症 | 報告がありません |
5類感染症 | 麻しんが 1件 報告されました |
■基幹定点
感染性胃腸炎(ロタウイルス)が 3件 報告されました
■眼科定点
流行性角結膜炎が 5件 報告されました