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第16週、感染性胃腸炎は先週から増減なく横ばいです。警報レベルには達していませんが、中丹東の9.2をはじめ、中丹西・乙訓・南丹で定点あたり4.6〜7.0件の報告があります。引き続き手洗いを徹底してください。
A群溶血性レンサ球菌咽頭炎の報告は横ばいで落ち着いていますが、インフルエンザおよび手足口病の報告が微増しています。引き続きうがい・手洗いの励行をお願いします。
腸管出血性大腸菌感染症の報告が1例ありました。腸管出血性大腸菌は食中毒の原因の一つです。手洗いを励行し、食品の衛生に気をつけるようにしましょう。
レジオネラ症の報告が1件ありました。レジオネラは元々土壌や水環境に普通に存在していますが、人工的な環境では給湯系、冷却塔、浴場などの水環境中のアメーバなどの原生動物を宿主としてその細胞内で増殖しており、感染源となる水環境に対する衛生管理が予防に重要です。また高齢者や、糖尿病などに罹患した患者など抵抗力の少ない人が感染することが問題となります。治療として、ペニシリン系やセフェム系は効果がなく、ニューキノロン系、マクロライド系、テトラサイクリン系などの抗菌薬を使用する必要があります。
先週に続いて侵襲性肺炎球菌感染症の報告が2件ありました。侵襲性肺炎球菌感染症は、肺炎球菌による髄膜炎や菌血症、敗血症といった重症の病態です。成人では肺炎が多くみられますが、小児では、成人と異なり肺炎を伴わず、発熱のみを初期症状とした感染巣のはっきりしない菌血症例が多くみられます。また細菌性髄膜炎の主な原因菌の一つとなっています。治療はペニシリン系抗菌薬が第一選択で、予防には肺炎球菌ワクチンの接種が有効です。
分 類 | 報 告 |
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1類感染症 | 報告がありません |
2類感染症 | 結核が 4件 報告されました |
3類感染症 | 腸管出血性大腸菌感染症が 1件 報告されました |
4類感染症 | レジオネラ症が 1件 報告されました |
5類感染症 | 侵襲性肺炎球菌感染症が 2件 報告されました |
■基幹定点
マイコプラズマ肺炎が 2件、
感染性胃腸炎(ロタウイルス)が 5件 報告されました
■眼科定点
流行性角結膜炎が 6件 報告されました