ホーム >> 感染症情報(週報)
第11週、感染性胃腸炎の報告は、先週と同程度で推移しています。警報レベルには達していませんが、中丹東保健所管内、京都市東山区・右京区・西京区で、定点あたり10件以上の報告となっています。。全国的に集団感染の事例が報告されています。手洗いの徹底、嘔吐物などの適切な処理を心がけてください。
インフルエンザの報告は、7週連続で減少していましたが、、今週は先週と比べ少し増加しています。丹後・中丹東・乙訓保健所管内では定点あたり5件以上の報告となっています。直近5週の報告では、これまでのA香港型の報告に加え、B型の報告の割合が少し増えています。外出後の手洗いを引き続き徹底してください。
A群溶血性レンサ球菌咽頭炎の報告が高水準で推移しています。南丹保健所管内で、定点あたり5件以上の報告となっています。患者との濃厚接触を避けること、うがい・手洗いを励行することが予防に重要です。
播種性クリプトコックス症の報告が1件ありました。Cryptococcus属真菌による感染症のうち、本菌が髄液、血液などの無菌的臨床検体から検出された感染症又は脳脊髄液のクリプトコックス莢膜抗原が陽性となった感染症です。免疫不全の場合、脳髄膜炎として発症することが多く、発熱、頭痛などの症状を呈します。リンパ節腫大や播種性病変として皮疹、骨、関節などの病変も認められます。免疫不全でない場合、中枢神経系の病変では、痙攣、意識障害など重篤な症状がみられる症例から、発熱、頭痛等の典型的な脳脊髄炎症状を欠く症例まで様々とされます。中枢神経系以外の眼、皮膚、骨等への播種では局所に応じた症状を呈します。平成26年9月より感染症法の5類全数把握疾患と規定されています。治療として、播種性病変の場合、アムホテリシンB製剤とフルシトシンを併用して初期治療を行い、その後アゾール系薬にスイッチして維持療法が行われます。
バンコマイシン耐性腸球菌感染症の報告が1件ありました。バンコマイシンに耐性を示す腸球菌(VRE)による感染症です。主に悪性疾患などの基礎疾患を有する易感染状態の患者において、日和見感染症や術後感染症、カテーテル性敗血症などを引き起こします。発熱やショックなどの症状を呈し、死亡することもあるとされています。臨床で問題となる菌種は主にE. faeciumやE. faecalisです。VREはグリコペプチド系抗菌薬の多用により選択的に増加し、全国的にVREによる院内感染症や保菌者が増加しつつあります。病院環境を含めた院内スクリーニング検査によるVREの拡散と汚染状況の把握、および感染者や保菌者との接触感染予防策の徹底が重要とされています。
分 類 | 報 告 |
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1類感染症 | 報告がありません |
2類感染症 | 結核が 1件 報告されました |
3類感染症 | 報告がありません |
4類感染症 | レジオネラ症が 1件 報告されました |
5類感染症 | 播種性クリプトコックス症とバンコマイシン耐性腸球菌感染症が それぞれ1件 報告されました |
■基幹定点
感染性胃腸炎(ロタウイルス)が8件 報告されました
■眼科定点
流行性角結膜炎が4件 報告されました