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感染性胃腸炎の報告は減少し、定点あたり7.12件となっています。警報の地域はありませんが、京都市左京区、伏見区、西京区、乙訓保健所管内で、10件以上となっています。引き続き手洗いを徹底してください。A群溶血性レンサ球菌咽頭炎の報告が続いています。京都市伏見区や中丹東保健所管内で、多く報告されています。患者との濃厚接触をさけること、うがい・手洗いを励行することが推奨されています。
流行性角結膜炎の報告が、急増しています。京都市右京区で定点あたり10件となり、警報レベルに達しました。流行性角結膜炎は、7〜12日の潜伏期間の後、結膜炎を発症し、結膜の充血や眼脂を認めます。風邪のような頭痛や倦怠感、食欲不振、咽頭痛が出ることもありますし、耳の前のリンパ節が腫れることもあります。感染力が強く、眼の分泌物との接触、あるいは汚染された器物を介した間接的な感染が原因となります。タオルは別々に使用するようにして患者と共用しないこと、眼脂は手でこすらずティッシュで拭いて捨てること、患者も周囲の人も手をよく洗うことが感染予防に重要です。
梅毒の報告が1件あり、累計6件となりました。梅毒は梅毒トレポネーマという細菌感染症で性行為感染症の一つです。近年全国的な増加が報告されています。性交渉による直接的な接触により感染し、感染経路の半数以上が同性間性的接触と推定されています。急性・慢性に多彩な症状が消長し、症状の無い時期には血液検査のみが手がかりとなります。病期として、潜伏期(症状なし)、第1期(感染の約3週間後、痛みの乏しい陰部潰瘍、口腔内潰瘍、局所リンパ節腫脹)、第2期(感染の約1.5ヶ月後、全身のリンパ節腫脹、筋肉痛、咽頭痛、皮疹)、早期潜伏性梅毒(感染後約1年まで、第2期の症状を繰り返す)、後期潜伏性梅毒(無症状)、第3期(数年後から30年後まで、神経梅毒、心血管梅毒、ガマ腫)が知られています。治療の基本はペニシリンで、治療開始後すみやかに感染性は無くなると考えられています。病期により抗菌薬の投与期間は異なり、また治療後の再感染も起こりえます。感染の予防や拡大防止には、性行為の際にコンドームを用いることが重要とされています。
分 類 | 報 告 |
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1類感染症 | 報告がありません |
2類感染症 | 結核が14件 報告されました |
3類感染症 | 腸管出血性大腸菌感染症が4件 報告されました |
4類感染症 | 報告がありません |
5類感染症 | 侵襲性肺炎球菌感染症が3件、梅毒が1件 報告されました |
■基幹定点
報告がありません
■眼科定点
流行性角結膜炎が19件 報告されました