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引き続きインフルエンザ患者の定点あたりの報告数は低下しています。全国レベルでは、第11週8.13→第12週6.75、京都府では第11週8.91→第12週8.08となっています。同時期としては例年と変わらない報告数です。なお、国立感染症研究所の報告では、第6週から第10週におけるB型インフルエンザウイルスの検出は約25%、A香港型は約73%です。
今週も京都府で1件の風しん患者の報告がありました。風しん患者は昨年を上まわるペースで増加しており、第8週以降は関東地方を中心として全国で週に300人前後の報告が続いています。京都府では、8週以降、毎週1〜2人の報告が続いています。妊娠初期の女性の方が風しんに罹ると、赤ちゃんにも感染して難聴、白内障、心疾患などを生じる場合があります(「先天性風しん症候群」)。風しんの感染予防にはワクチン接種が有効ですが、風しんワクチンは弱毒生ワクチンであるため妊婦さんには接種しません。女性の方は、妊娠していない時期にワクチン接種(接種後2ヶ月は避妊が必要)を、妊婦の周囲の方は妊婦への感染予防のためにも予防接種をご検討ください。また今回の流行の中心は成人男性ですので、男性の方も予防接種をご検討ください。
≫風しん予防接種啓発ポスター
ダニは節足動物ですが、昆虫ではなく、むしろクモに近い仲間の節足動物です。ダニの仲間にはマダニの仲間、ツツガムシの仲間 ヒゼンダニの仲間などがあり、非常に種類が多、日本だけでも約1700種類が知られています。ヒトに感染症を媒介するものや、アレルギーの原因となるものもいますし、ヒゼンダニは疥癬という非常に強い痒みをともなう皮膚病の原因となります。
ダニ類はウイルスや細菌の仲間(リケッチアやスピロヘータなど)を媒介して感染症をきたすことがあり、「ダニ媒介感染症」といいます。この中には、感染症法に規定された感染症もあります。ツツガムシはツツガムシ病を、マダニの仲間は日本紅斑熱やライム病、野兎病、重症熱性血小板減少症候群などを媒介します。
これらの感染症の予防法は、媒介するダニに噛まれないようにすることです。マダニは、家屋内にいてアレルギーの原因となりうるヒョウヒダニと異なり野外にいますが、野山だけではなく、例えば家庭菜園や家屋周辺の河川敷などの草むらなどにもみられます。冬は落ち葉の裏などで越冬し、春から秋にかけて活動性が活発になり、この時期には人も野外に出る機会が増えますのでマダニに噛まれないように注意が必要です。マダニは葉先に掴まって吸血できる動物が通るのを待ち受けます(水平方向への移動はあまりしません)。したがって草むらなどに入ったりする場合には、皮膚にマダニが付着しにくいように長袖・長ズボンを着用して肌の露出を少なくし、野外活動後は衣類などに付着していないか確認するようにし、帰宅後にはシャワーでよく頭・体を洗い流し、衣類はすぐ洗濯するとよいでしょう。マダニが吸血する際には口器をしっかりと差し込んでいるので容易には取れず、無理して取ろうとすると口器が皮膚に残り感染を助長する場合があります。吸血しているダニに気付いたら、できるだけ医療機関で処置してもらいましょう。
マダニが病原体を必ず持っているわけではなく、マダニに噛まれたら必ず感染症になるわけではありませんが、マダニに吸血された後や草むらで作業した後に発熱したり皮疹が出現したりしたときには(潜伏期間は、日本紅斑熱で2〜8日間、ツツガムシ病は10〜14日間、ライム病は数日から数週間、野兎病は1〜7日間、重症熱性血小板減少症で6〜14日間です)、医療機関を早めに受診しましょう。
分 類 | 報 告 |
---|---|
1類感染症 | 報告がありません |
2類感染症 | 結核が7件報告されました |
3類感染症 | 報告がありません |
4類感染症 | 報告がありません |
5類感染症 | 風しんが1件報告されました |
■基幹定点
報告がありません
■眼科定点
流行性角結膜炎が7件報告されました