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感染性胃腸炎の報告は引き続き増加傾向が続いています。水痘が2位となっており増加傾向ですが、例年と同じ水準です。水痘は例年夏から秋にかけて報告数が少なくなり、11、12月ころに報告が増加します。
感染性胃腸炎の報告数は、同時期としては過去10年間の中で2006年に次いで多くなっています。感染性胃腸炎は冬に多く報告され、その多くはウイルス性胃腸炎であり、この時期にはノロウイルスによるものが多くなります。
ノロウイルスは感染性が強く、食中毒の原因になることでもよく知られているウイルスです。ノロウイルスには複数の遺伝子型がありますが、食中毒事例において従来日本国内で検出されていた遺伝子型とは異なった抗原性を持つノロウイルスが今年10月以降に全国各地で検出されていることが報告されており、今後流行の主流となる可能性も指摘されています。
ノロウイルス感染症では、1〜2日間の潜伏期間後、吐き気、嘔吐、下痢で発症し、高い熱は出ないことが多いとされています。ノロウイルスに対するワクチンは実用化されておらず、また抗ウイルス薬はありませんが、症状は1〜2日間程度で改善し、通常重症化することはありません。しかし乳幼児や高齢者では下痢による脱水が体に大きな負担になることがあり、脱水にならないよう水分の補給には特に注意が必要です。
患者の吐物や便に汚染された手指や、汚染された食べ物を介するなどして感染するため、予防のためには、流水・石けんによる手洗いや吐物・便の適切な処理(ノロウイルスはアルコールでは不活化せず、次亜塩素酸で不活化します)、調理法や食物・調理器具などの衛生に十分注意が必要です。
厚生労働省のホームページもご参照ください。
分 類 | 報 告 |
---|---|
1類感染症 | 報告がありません |
2類感染症 | 結核が7件報告されました |
3類感染症 | 腸管出血性大腸菌感染症が1件報告されました |
4類感染症 | 報告がありません |
5類感染症 | 後天性免疫不全症候群と梅毒が各1件報告されました |
■基幹定点
マイコプラズマ肺炎が1件報告されました
■眼科定点
流行性角結膜炎が18件報告されました