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第37週、全国的にRSウイルス感染症の報告が増加傾向です。昨年は例年より早い8月頃から報告が増え始めていました。今年も同様に早い時期より報告数が増えており、京都府では今年8月頃から昨年の同時期を上回る数の報告が続いています。定点あたりでは宮崎県が最も多く、続いて福岡県、佐賀県、山口県、熊本県、大分県、広島県、鹿児島県、福井県、と続きます。九州で多い傾向があります。近畿地方では大阪府が最も多く、京都府が続きます。RSウイルス感染症は合併症などの観点から乳幼児の疾患として重要であり、今後の推移に注意が必要です。
厚生労働省では毎年9/24〜9/30を結核予防週間と定めており、全国各地で結核に対する予防啓発活動が行われます。京都府においても保健所での健康相談、講習会や関係団体とともに啓発活動を強化します。
平成23年の結核登録者の集計をみてみますと、全国における平成23年の新規登録患者は22681人で、結核罹患率(人口10万人対の新規登録者数)は減少してきています(平成22年18.2、平成23年は17.7)。京都府でも徐々に減少しているのですが(平成22年19.0、平成23年18.6)、都道府県別にみますと前年度よりも上昇している県が27あります。罹患率の高低には地域差が大きく、大阪市、名古屋市、東京都の特別区などの大都市で高い傾向があります。年齢別にみますと、新規登録者は全ての年代でみられますが、半数以上は70歳以上の高齢者で占められ、高齢者に多いことがわかります。
結核は肺だけでは無く、いろいろな臓器に感染して症状をきたしますが、新規登録者のほとんどは肺結核です。肺結核でみられる症状は他の呼吸器感染症と区別がつかず、医療機関への受診が遅れがちです。実際、症状が出てから初めて医療機関を受診するまでの期間が2ヶ月以上の人の割合は18.6%と高く、ほとんど変わりなく推移しています。自覚症状に加え、経過が長いことや結核患者との接触歴などが結核を疑うきっかけになります。風邪のような咳や微熱が2週間以上続く様な場合には医療機関を受診し診察を受けるようにしましょう。また特に高齢者では、呼吸器の症状がはっきり出ず、体重減少や体のだるさといった症状が主体のこともあるため注意が必要です。
分 類 | 報 告 |
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1類感染症 | 報告がありません |
2類感染症 | 結核が5件報告されました |
3類感染症 | 腸管出血性大腸菌感染症が1件報告されました |
4類感染症 | 報告がありません |
5類感染症 | アメーバ赤痢が2件、風しんが1件報告されました |
■基幹定点
マイコプラズマ肺炎が1件報告されました
■眼科定点
流行性角結膜炎が11件報告されました