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第27週、デング熱が1例報告されました。デング熱は、熱帯、亜熱帯地方に存在するアジア、アフリカ、中南米、北オーストラリアなどの各国で発生、流行しているウイルス感染症です。ネッタイシマカ、ヒトスジシマカが媒介し、ヒトからヒトに直接感染することはありません。日本では国外で感染した例が報告されており、今年は累計で京都府3例、全国71例の報告があります。
デングウイルスを媒介するヒトスジシマカは東北以南の日本にも存在しており、夏に活発に活動しています。現在日本国内での感染はみられませんが、1942年〜1945年には、神戸、大阪、広島、呉、佐世保、長崎といった港湾都市部を中心に流行しており、今後も国外感染例から国内流行する可能性はあると考えられています。
デング熱の潜伏期間は感染後3〜8日間。発熱で発症し、頭痛や眼窩痛、筋肉痛、関節痛がみられます。また発症後3〜4日後から皮疹が出現し、体幹から四肢、顔面へ広がりますが、種々の症状は通常1週間程度で消失します。しかしデング出血熱の場合は、発症時はデング熱と変わりありませんが、解熱しはじめたころから皮下出血などの出血症状が出現し、血漿漏出(白血球、赤血球、血小板を除く血液の液体成分が血管外に漏れる)による血圧低下もきたします。
国内流行防止の点から、発症者から蚊への感染を防ぐため症状が改善するまでは蚊に刺されないよう注意する必要があります。なお、デングウイルスには4つの型が知られており、一度罹患するとその型には免疫が出来ますが、その他の型には感染しえます。
風しんも1例報告されました。全国で報告数の増加が続いており、現在累計では兵庫県、大阪府、東京、神奈川県、京都府の順に報告数が多くなっています。東京を中心に関東地方でも報告数が増えています。特に妊娠希望の女性や抗体を持つ方の割合が低い20〜40歳代の男性で風しんワクチン接種未実施の方は、ワクチン接種をご検討下さい。
今年はロンドンオリンピック・パラリンピックもあり英国を始めヨーロッパへの海外旅行を予定されている方も少なくないと思います。海外に旅行される際の準備として、感染症に対する備えも進めましょう。
まず、現地の情報を得ることが大切です。厚生労働省のホームページや検疫所のホームページを参照し対策をとるようにしましょう。
分 類 | 報 告 |
---|---|
1類感染症 | 報告がありません |
2類感染症 | 結核が16件報告されました |
3類感染症 | 腸管出血性大腸菌感染症が3件報告されました |
4類感染症 | デング熱が1件報告されました |
5類感染症 | クロイツフェルト・ヤコブ病と風しんが各1件報告されました |
■基幹定点
報告がありません
■眼科定点
流行性角結膜炎が4件報告されました