最近のデイ・ケア活動
就業生活セミナー
『就業生活セミナー』というプログラムを火曜日と金曜日に行っています。金曜日は自己理解を深めて社会参加や就労への準備を意識した内容ですが、今回ご紹介する火曜日の『就業生活セミナー』は、日常生活や就労の基礎となる力(体力向上・認知機能を高める・コミュニケーションスキルを養う・リラクゼーション法を学ぶ)を身につけることを目的としています。
週替わりで、「ウォーキング」や「太極拳」をしたり、「体調管理」や「気持ちの上手な伝え方」を学んだり、「ボディワーク」等を行いました。
参加したメンバーからは「体を動かしたり散歩したり、体のことを考える機会になった」、「気軽に参加できた」、「他の人の意見を聴けてよかった」等の感想が聞かれました。
社会見学で動物園に行きました
デイ・ケアでは、外出のきっかけを作ったり、興味の幅を広げることを目的に、半年に1回程度『社会見学』を実施しています。
今回は令和6年5月24日(金)京都市動物園に行きました。動物園は数年に1回行く人気の場所です。当日は5月にもかかわらず30℃を超える蒸し暑い日だったため、休憩所で昼食をゆっくり食べ、長めの休憩を各グループ内でとりながら散策しました。いつもとは違う場所や風景の中で休憩中もいろんな話題が飛び交い、新たな交流が生まれて話はつきず、時間を区切らなければならない程でした。今回の『動物園』が刺激になって「みんなで別の場所にも行きたい。」という新たな要望も出てきました。
<メンバーの感想>
- 白フクロウがかわいかった。
- キリンの餌やりの様子が見れてよかった。
- シマウマはやはり性格が荒いのが実感できた。
- トラが見れなくて残念やった。
- 暑いけど、楽しかった。
発達障害専門プログラム(コミュニケーションゼミ)
集団治療の場であるデイ・ケアではコミュニケーションを学んだり練習したりするプログラムを行っており、自閉スペクトラム症の診断を受けている人とそうでない人でグループを分けて実施しています。
月曜午前に自閉スペクトラム症グループとして行う『発達障害専門プログラム(コミュニケーションゼミ)』では、自閉スペクトラム症の特性を背景として生じる「人づきあいが苦手」、「雑談が苦手」、「自分のやり方を変えられない」といった悩みや生活のしづらさについて、ワークブックを用いて学んだり、意見を出し合ったり、会話の練習をしたりしています。共通した特性や悩みをもっているメンバー同士だからこそ理解しあえることもあれば、人によって感じ方や対処の仕方が異なるということを知る経験になることもあります。メンバーの中には、就労継続支援A型事業所での就労や障害者枠就労をするようになり、ときどき参加して体験を共有してくれる人もいます。
なお、このプログラムでの学びには言語的な理解も必要となるため、概ねIQ 85以上の人を対象としています。
<メンバーの感想>
- 「自分の悩みを積極的に出すことができ、共有、共感してもらえる」
- 「会話するときの声のかけ方や断り方などここで学んだことが役立った」
- 「自分を責めるばかりじゃなくていい、皆困っていることがあるとわかった」
写真:プログラムで使用しているテキスト
『大人の自閉症スペクトラムのためのコミュニケーション・トレーニング・ワークブック』(星和書店)
エクササイズ
エクササイズは、日常生活や就労に向けて体力をつけたり協調性を育んだりすることを目的として行っているプログラムです。
昨年度まではコロナ禍を考慮して卓球やテニポン(ミニソフトテニス)、ペタンク等、距離を取りながら気軽にできるスポーツを主に行っていました。コロナの5類感染症への移行に伴い、今年度はある程度距離を近づけても行える活動を、メンバーの自主的な提案であればスポーツに限らず取り入れました。
「カラオケ大会」や新聞を丸めた玉を使った「サバイバルゲーム」、「ダンスパーティー」等々。マスクを着けたままではありますが、普段は寡黙なメンバーが楽しそうにカラオケで歌う意外な一面も垣間見られました。
参加したメンバーからは「自分が企画したものを楽しんでくれてよかった」、「雰囲気が良くて癒された」、「ゲーム大会が楽しかった」等の感想がきかれました。
メンバーの自由な発想をもとに、エクササイズの予定は皆で決めています。
奥はテニポン(ミニソフトテニス)、手前はペタンクで使う道具です。
発表会 朗読プログラム
デイ・ケアでは毎年3月と9月に、毎週木曜日の午後に行っている朗読プログラムの一環として発表会を開催しています。新型コロナウイルス感染症が5類に移行したので、今年9月の74期発表会は、朗読から演劇に表現方法を戻して上演しました。とはいえ感染予防はまだ続けているので、出演者も観客もマスクを着けたまま、鑑賞できるのは現デイ・ケアメンバーとスタッフ、出演者の家族のみにしています。
朗読は、自分の声や身体を使った表現を介して他者とコミュニケーションしていくプログラムです。作品という実生活と違う設定の中で、互いの間を計ったり気遣ったり役割分担したりと協力することが、コミュニケーションの練習にもなっています。皆の意見で「場所、背景、登場人物、結果」を決めて即興劇を作ることがあり、今回の発表会では、完全オリジナルの即興劇「くいな村の一番長い日〜おじいの非日常〜」を上演しました。登場人物4名のセリフから、くいな村に言い伝えられる怪獣クイナドンの存在、村長と村人の関係性、周囲の人々のおじいに寄せる優しい気持ちが伝わる劇となりました。舞台裏では、「アイコンタクトしてくれたら、展開に沿ったセリフを自分が言うから大丈夫」、「アドリブで出たあのジェスチャー良かったよ」といった、出演メンバー同士のやりとりがありました。
〈写真は劇中の小道具で、出演メンバーが作ってくれました。〉
怪獣クイナドンを倒す作戦会議で使った地図
怪獣クイナドンにまつわる言い伝えの秘密が書かれた古文書
ヨガ
デイ・ケアでは、火曜日の午前に『ヨガ』のプログラムを開催しています。
『ヨガ』では、講師の指導のもと、一緒に体を動かしながら今の自分の体や心の状態を観察したり、リラクゼーションの方法を知ったりといったことを目的に活動しています。
その日の気候や参加メンバーの体調等に合わせて動きを調整するので、自分のペースで体を動かすことができます。参加メンバーの中には、プログラムで学んだ動きを家で実践している方もいるようです。
<参加メンバーの声♪>
- 自分の体調に合わせてしてくれるのでとても助かります。
- ヨガの最中に寝る時間があって気持ちよく眠れます。
- ヨガをすると体が心地よくなりました。
- 難しいポーズは一切ないのに終わった後、体がほぐれます。先生の優しい声もヒーリング効果があって心から安らぎます。
- 自分のペースでできるのが良いです。性別、年齢関係なくできるのも良いなと思いました。
<講師からの一言♪>
毎日少しずつ…。心も体も少しずつ成長していきます。
座って行うポーズから立って行うポーズまで、ゆっくりと様々なポーズをしながら体と心を整えていきます。難しいポーズはできなくても大丈夫!自分のペースでOKです♪
就業生活セミナー
デイ・ケアでは金曜午前に『就業生活セミナー』というプログラムを開催しています。 このプログラムでは、デイ・ケア終了後の進路や生活について様々な視点から考え、就労に限らず、地域生活で使える社会資源について学んでいます。講義や意見交換の他、デイ・ケア終了者の経験談を聴いたり、事業所へ見学に行ったりしています。
プログラム内容一例
【就労面】
・就労に関しての相談先、使える制度などの社会資源について
・人生「働く」だけなの?どんな働き方を考えているのか
・障害特性について自分で対処していること、他者への伝え方や理解の得方
【生活面】
・健康管理について
(体調面、精神面、自律神経、実践している健康作りの習慣など)
・金銭管理について
・地域生活で使える制度や相談先などの社会資源について
・怒りの収め方
写真は、デイ・ケア終了者の経験談でどんなことを聴きたいか、事前に質問を募っているところです。
参加メンバーの声
(このプログラムに参加した理由〉
- 就労に向けて意識向上を図るため。
- デイ・ケア終了後、就職活動を行いたいと思い、それに必要な知識を学ぶため。
- 一人で知るには難しい知識を、身につけることができるから。
- 就労に関する知識を身につけたかったし、コミュニケーションの練習も兼ねて参加した。
- 障害者の就労を取り巻く状況を知りたかったので、参加した。
(このプログラムで得られたこと)
- デイ・ケア終了後の進路を考える時、障害者枠での就労以外にも、就労移行支援事業所や就労継続支援事業所について知ることができ、選択肢が増えた。
- 社会資源について知識が深まり、他のメンバーが就労に向けて取り組んでいる話を聴いて自分も働きたいと思うようになった。
- 講義を聴いて知識を深め、意見交換を通してコミュニケーションの練習にもなった。
- 就労する上で生じる壁にどのように対処するか、知識や考え方を得られた。
(これから取り組んで行きたいこと)
- 継続的に参加して、実際に活用したい。
- 更に、就労する時に必要な知識を得たい。
朗読プログラムのご紹介
デイ・ケアでは木曜日の午後に、自分の声や身体を使って表現するプログラムとして『朗読』を行っています。以前は参加メンバーが近づいたり、向かい合って演技する『演劇』をしていましたが、感染予防しながらできる表現活動として、『朗読』に変更しました。
『朗読』では、読む題材を持ち寄って、皆でパート分けして、気持ちを込めて読んだり、人が読んでいるのを聴いたりして、感想をシェアしています。その中で参加メンバー同士の交流が生まれ、普段なら表現しにくいことに気づいたり、気づいたことをあらためて表現したりする機会になっています。
発声練習や場を盛り上げる意味合いで、まずは毎回ウォーミングアップをしています。
ウォーミングアップの定番は紙風船バレー♪
自然とチームワークが生まれ、人との間合いを計り、心理的な距離も縮まります。
他には、早口言葉やテーマトーク、カードゲームなどもしています。テーマトークでは「気に入っている物」、「印象に
残っているTV番組」、「お気に入りの本」などについて話しました。
朗読する題材としては、戯曲の台本、小説、落語の演目、エッセイ、漢詩、漫画、歌詞など様々で、参加メンバーからの提案を取り入れる時もあれば、講師が準備する時もあります。最近では講師が持ってきた絵本をきっかけに、参加メンバー一同その面白さにはまり、各々が自分の家にあるものを持ち寄って朗読しました。
朗読している時はこんな感じ。
距離を取ってマスクはしたまま、輪になって読んでいます。
一行ずつ読んだり、役柄を割りふって読んだりします。
同じ題材でも、読み手や読み方が変わるとぐっと印象が変わり、新しい表現に気づくことがあります。
絵本を朗読した参加メンバーからの感想を一部ご紹介します。
- 『魔女からの手紙』という絵本では、「いろんな絵があって面白かった」、「いろいろ考えられていい」、「短 い文を皆で読むのが面白い」。
- 『つみきのいえ』という絵本では、「イラスト、色も可愛い、買いたいなって思った」、「他者の感想を聞 いた上で読んだらまた違うかも」。
- 『じごくのそうべえ』という絵本は「関西弁で語られていて、話も面白い」、「落語が原作というのが発見 だった!」などなど。
持ち主にとってどんな思い入れがあるのか、読み終わって感じたことなどを話し合い、他の人の感想を聞 いて印象が変わることもあります。シェアすることの楽しさも一つの発見でした!
こういった毎週の積み重ねを、半年に1回、『朗読』に参加していないメンバーや職員の前で披露する発表会を行っています。
2022年9月の発表会では、『わたしのわごむはわたさない』と『ねんどの神様』という絵本を朗読しました。前者は「作者が好きで、サイン会の時に購入した」、後者は「小学校の時に衝撃を受けた」と、どちらもメンバーから提案された絵本です。聴いている人も世界観を共有できるよう、絵も画面に映して見てもらいました。
発表会に参加したメンバーからは、「皆で読めて面白かった」、「皆で共有できてよかった」、「久々に長い文章を読んで疲れた」などの感想がありました。
『朗読』は、年度の上半期に担当する講師、下半期に担当する講師の2名がいます。
今回は、上半期担当の二口大学講師にインタビューしてみました。
コロナになってから、外に出にくい環境になり、社会に出て行きにくくなることが憂慮される。他者と接するコミュニケーションのあり方が、社会に出る第一歩だと思うので、感染対策をとり、『朗読』の中で最大限できるコミュニケーションをとってやっていきたい。
絵本を題材として取り上げたことで、皆と同じものを見て共有できることもあるのだなということが発見だった。
朗読も、振り分けて読むことで、間を計ったり、気遣い合ったりしながらやっていることは演劇的。絵本を1人で読む意味もあるが、共有、シェアして何かを作るのは、仕事をする時でも意味がある。
無責任にトライアルができるというのが、朗読(演劇)のよさ。プログラムの中で様々にトライアルして、実社会に臨んで貰えればよいと思っている。
創作活動
1 デイ・ケアでは「創作活動」プログラムを木曜日(午前は10時〜12時、午後は1時〜3時)に実施しています。販売する品物を作るわけではありませんので、アイデアの出るまま気の向くまま、自分が作りたいものを「創作」しています。
なので、創作するものも、完成までのペースも人それぞれ。
iPadを使う人もいれば
今日は英語の歌詞を筆記体で書いてます。
油絵をする人
イーゼルを使って描くのは腕がけっこう疲れます。
編み物をする人
携帯入れ。
紙粘土を使う人
練習でりんごを描く人
色の合わせ方、使い方を練習中です。
見本をもとにして様々な画材で絵を描く人
刺し子をする人
桔梗の柄に合わせて、糸の色を紫にしました。
踏み台を作る人が、います。
それぞれ物入れにもなる踏み台は、組み合わせて収納もできます。
「創作」に興味や関心があってこのプログラムに参加するメンバーばかりなので、みんな黙々と活動に取り組み、時間はあっという間に過ぎていきます。
創作中のおしゃべりがないからといって他メンバーに関心がないわけではありません。プログラム終了前に今日の活動を1人ずつ紹介する時間には、作品を紹介するメンバーの近くに集まり、創作する上での工夫を聴いたり、感想を述べたりしています。
「自由に創作していい」というのは意外に難しく、初めは何を創作するか困るメンバーもいるのですが、作品を通して他メンバーと交流することが、自分の発想を刺激したり、次の創作への種になっています。
発達障害専門プログラム「コミュニケーションゼミ」
1 特色
精神科デイ・ケアの一環で、発達障害者の障害特性に応じて標準化されたワークブックを元に、コミュニケーションについて考え、学習を進めるため視覚的にもわかりやすい内容となっています。
2 利用者
当デイ・ケアに在籍中で以下のすべてを満たす方
- 現主治医から自閉スペクトラム症(ASD)の診断を受け、定期的に通院している方
- グループ治療のルールを守れる方
- IQ85以上の方
3 スタッフ
精神科医、看護師、作業療法士、公認心理師の専任職員が担当しております。
4 プログラム内容
6ヶ月で、それぞれのテーマについて学習します。期間途中からの参加も可能です。
<内容例>
- 自己紹介、オリエンテーション
- コミュニケーションについて
- あいさつをする
- 会話を始める
- 会話を続ける
- 障害理解、発達障害とは
- 会話を終える
- 表情訓練
- 感情のコントロール
- ストレスについて
5 利用方法
見学は電話予約(tel:075-641-1890)をいただいた上で、随時おこなっています。通所申し込みを希望される方につきましては主治医の紹介状が必要となりますので、主治医とご相談下さい。
6 費用
通院医療費が必要です。自立支援医療(精神通院)制度を併用されると自己負担が軽減されます。
プログラムの一例
1『会話を終える』
上手に会話を終える方法と適切に自分の意思を主張することをCES(セス)(Communication Enhancement Session)という技法を使って学びました。紙に大きく書かれた複数の「話の終わり方」の良いところと悪いところを目で見ながら客観的に考えます。一般的な会話の終わり方と、言葉だけではなく非言語の大事さも学習しながら、よりよい対人関係を目指します。
<メンバーの感想>
- 会話を切り上げるのが苦手なので、今日はよい方法を知った。
- 会話が苦手なので、会話の伝え方があるんだと思った。
- 普段会話は自然消滅しているので、会話を終えられるようになりたい。
- 自分にも無愛想なところがあるからちゃんとしようと思う。
2『ピアサポート』
苦手なことや困っていることを、メンバーさん同士で助言し合います。今回は「会話で困っていること」をテーマにして話し合いました。一人の悩みが他の参加者の参考になったり、自分のアイデアが他の人の役に立つことを体験しました。
<メンバーの感想>
- 会話をどう始めるか、どう続けていけばよいか困るが、相手に聞き役になってもらうことは参考になった。
- 話しかけられると緊張するが、他人の話を横で聞いているのは大丈夫。
- 苦手な人と会話するのは困ることがある。でも挨拶するのは参考になった。
発達障害専門プログラム
発達障害の方を対象に平成29年4月からコミュニケーションゼミを開始しました。このプログラムは平成25年度厚生労働省障害者福祉推進事業から助成を受けて開発された『発達障害専門プログラムパッケージ』をもとに、コミュニケーションスキルの習得や、障害の理解、お互いの悩みの共感や自分に合った処世術を身につけることが目的です。
毎週月曜の午後に行っています。会話が苦手、人付き合いがうまくできない、外出や乗り物が苦手、音に敏感などの方々が参加されています。
アステップむろまち見学に行きました
発達障害の就職支援について知識を深め、社会資源を知るため、1月末に就労移行支援事業所「アステップむろまち」に見学へ行きました。
あいにくの雨の中でしたが、センターに集合し、メンバーさんと共に地下鉄に乗って向かいました。
「アステップむろまち」は、京都市内中心部のビルの中にあります。いつものデイ・ケアとは違う環境の中で緊張気味のメンバーさんもいましたが、大石所長をはじめ職員の方々が温かい笑顔で迎えてくれました。
最初に「アステップむろまち」について、説明を聞きました。みんな真剣に聞いていました。なかにはメモを取るメンバーさんもいました!
次に事業所内を見学し、作業中の方々とお話も出来ました。
また、付き添ったスタッフも含めて作業体験のテストを受験しました。最初に全問正解の花丸をいただいたのはメンバーさんでした!
最後に、実際に企業での作業実習を経験した利用者の方のお話を聞かせてもらいました。
わかりやすく説明して下さり、とても有意義な見学となりました。アステップむろまちの皆様、ありがとうございました。
〈参加者の声〉
- 就職するまでの流れがよくわかった
- 体験談など事例も詳しく教えて頂いたのでイメージがつきやすかった
- (就労移行支援事業所の)雰囲気がわかって良かった
「発達障害専門プログラム」参加メンバーの声
当センターのデイ・ケアでは、昭和大学発達障害医療研究所が作成した「発達障害専門プログラムパッケージ」をもとに、平成28年から「発達障害専門プログラム」を実施しています。
プログラム名は「コミュニケーションゼミ」で、現在は毎週月曜日午前中に開催しています。参加できるのは、当デイ・ケアに所属していて、現主治医から自閉スペクトラム症の診断を受けている方です。これに令和3年4月から、『IQ85以上』という参加条件が加わりました。
開始から令和3年3月末までに実人数で28名、述べ人数で992名参加され、「コ ミュニケーションゼミ」だけでなく他のデイ・ケアプログラムにも参加することで、コミュニケーションの経験を積んでこられました。参加者の中には復職や障害者枠就労でデイ・ケアから卒業していった方、「ある程度学べたので」と他のプログラム中心にデイ・ケア通所を続けている方、また「自分に必要だと思うから」とこのプログラムへの参加を続ける方など、様々です。
今回は、「コミュニケーションゼミ」に参加したデイ・ケアメンバーの声を紹介します。
<このプログラムに参加した理由>
- 人との距離の保ち方をまちがえないようにするため
- 人と接して、自分の障害を理解したり、自立に向けて考えるため
- 自分の障害を知るため
- 人と自然に話せるようになるヒントを得るため
<このプログラムで得られたこと>
- コミュニケーションの基礎が学べた
- 自己開示の程度が人によってちがうとわかった
- 昔の出来事も、自分の障害と関係していたのでは…と見直すことができた
- 発達障害についての知識が少し整理できた
<これから取り組んでいきたいこと>
- 意見が違っても受け入れて、気遣いができるようになりたい
- このプログラム以外でも、他メンバーと気軽に話していきたい
- 嫌なことを思い出すより、楽しむ気持ちを持ちたい
- スムーズに話すように意識したい
発達障害専門プログラム支援者体験会を開催しました。
第2回発達障害専門プログラム支援者体験会
令和元年11月25日(月曜)、発達障害専門プログラムについて理解を得るために支援者向けに体験会を開催しました。医療機関や就労支援機関・相談機関等から14名が参加されました。
発達障害専門プログラムは、自閉症スペクトラムの方を対象に、「対人コミュニケーション」への対処を中心に、対人技能の向上を目的としたプログラムです。
今回取り上げたプログラムは、上司から残業を頼まれたAさんが『上手に断る』という課題です。セリフボードにはさまざまな断り方があります。職場でのより常識的な対応を学べるように、GOOD(+100〜0)からBAD(0〜−100)までのどの位置にセリフがあるか、またそのセリフの良い点と悪い点の意見を出し合いました。
アンケート結果からは、実際に体験して分かりやすかったと感想をいただきました。
コミュニケーションセミナー
対人関係が苦手だったり、困ったことがあったり、コミュニケーションが上手になりたいと思う方が、デイ・ケアにはたくさん通所しています。創作活動やスポーツなどを通じてコミュニケーションをとることもできますが、コミュニケーションについて真正面から取り組むプログラムとして、「コミュニケーションセミナー」を月曜日午後に開催しています。
参加者から話したいテーマや、他の人の考えや経験など聴いてみたいことを出し合って、毎回そのテーマに沿った自分の気持ちや考え、経験などを話しています。他の人と話すことで、同じ悩みや困難を抱える人に気づいたり、その悩みや困難にどう対処しているかを聴くことで、物事を別の視点から考える機会としたり、自分自身や他の人への理解を深めています。
<最近のテーマをご紹介します>
- 人との距離感、相手の負担にならない距離感
- 緊張しないで人と話せる方法
- 突っ込んだ話を聞かれたが、話したくないときにどう対処するか
- モチベーションをあげる方法
- 執着している物(タバコ、ギャンブル、LINE、人)から離れるにはどうしたらいいか
<参加者の感想です>
- 最初は緊張した。
- 人と話す機会ができた。
- 話し相手が増えた。
- 会話が楽しいと思えてきた。
- モヤモヤが解消された。
- 人の良いところ、人の意見を参考にできた。
料理プログラムの様子
日常生活に欠かせない調理の体験・実習として、料理プログラムも行っています!
今回のメニューは、パエリア、冷製パスタ、きのこのマリネ、バナナケーキ・・・と、多国籍の入り交じった洋風料理。簡単にパエリアができたり、本格的なパスタの味になったりと美味しくできました!「苦手でもできたし、みんなと一緒だと思えた」という声もあり、調理が苦手な人でも、お皿に取り分ける係りや、洗い物係りなどの分担作業をするので、各自ができることから参加できます!皆で食卓を囲めるのもデイ・ケアならでは♪
ボディワーク
デイケアでは、月に1回講師の指導のもとボディワークを開催しています。
リラクゼーションの方法を知る、自分自身の体に意識を向けて自分の体調管理につなげるためのセルフマッサージ、ペアでマッサージすることで他者とのふれ合いを通じて抵抗感をなくし、コミュニケーションに役立つことを目的としています。
マッサージ前後に今の気分を色や音で表現することで、前後の気分の変化を感じてもらっています。始める前には「体が少し重いので色はグレー」と表現していた方がボディワーク後には「体が暖かくなりオレンジになりました」など、多くの方が前後で違う色を表現されます。
この日は、ペアになり肩・背中・頭を中心にマッサージをしましたが、カーペットに横になり腰や足のマッサージをすることもあります。
〈参加者の声〉
- マッサージでお互いふれあうことで、コミュニケーションにつながった
- 体がぽかぽかしてリラックスできた
- 動きが良くなった
- 体が楽になった
就業生活セミナーでデイケアのテーマソングを作りました!
NPO法人『音の風』の音楽家西野桂子先生をお招きして、「体を動かそう、歌を唄おう!」のテーマで表現活動をしました。
最初に「翼をください」を歌いながらドラえもんの絵を各自で描きました。視覚(文字と絵)、聴覚(歌や伴奏を聴き歌う)、手の運動機能を連動させたマルチタスクです。全員課題をクリアしてオリジナルドラえもんがたくさん誕生しました。
今回はなんとデイケアのテーマソングを作りました。初めての挑戦です。事前にメンバーの皆さんから歌詞を募集しました。心がほろっとする言葉や鋭いスタッフ観察、ちょっと自虐的なジョークまであり、どんな曲になるのか心配でしたが、西野先生がラップ調に歌詞をまとめてくれました。担当パートごとに練習後、西野先生持参の機材でスタジオさながらに録音しました。ノリノリでアドリブもたくさん入っていました。録音された曲を聴いた皆さん、緊張と照れで笑いにあふれました。
ワールド・デイケア・カップ(歌詞)
スタッフはみんな25歳 うそつけ〜!
スタッフはみんな美人 おとこまえ!
デイケアに行こう 期限は3年
デイケアはいい場所 デイケアbyデイホスピタル
デイケア飽きたら 事業所行こう
卒業したら で・も・ど・り・か
足のサイズは 30センチ
心の器は サ・ン・セ・ン・チ
デイケアお茶おいしい 運命の人と出会える
デイケア楽しいと 思っとかなくちゃ来れないよ!
デイケアのこと デイって呼ぶの恥ずかしい
建物古い、暗い、暑い 窓固い
女子もっと増えろー!!
スタッフメンバー良い人 希望の光
スタッフの弁当 みーんな小さい
瞳は大きいけど パソコンの前ではしかめ面
ス・タ・ッ・フ・は た・い・へ・ん・ダー!!
平成30年11月27日(火曜) クリスマスカードを作りました!
今回は作業能力の向上、季節の楽しみを味わうこと等を目的にクリスマスカード作りに挑戦!各グループで作業分担、飾り付けの方法などを自由に話し合ってもらい、いかに効率良く、良い作品を仕上げられるかを考えました。
できあがった作品はどれも力作揃い!「時間内に各グループ10枚以上作る」という厳しいルールの中、どのグループも力を合わせてすてきな作品を作ることができました。
できあがったカードは12月25日の大掃除の後、1年の感謝とねぎらいの気持ちを込めて、みんなで作ったクッキーと共にメンバーさんの手元へ・・・☆
1年の締めくくりに、心のこもったカードとクッキーがプレゼントされ、デイ・ケア全体が幸せな気持ちに包まれました♪
就業生活セミナー(カルビー出張講座)
暑さで食欲も落ちる8月、おやつから食生活を見直す目的で、カルビー株式会社が実施している『おやつ探検隊』という講座を利用しました。
まずはおやつにまつわるアレコレを、クイズ形式で楽しく説明していただきました。賞味期限や消費期限の違いなど、最初は「簡単だわ〜」と思っていたクイズもだんだん難しくなってきて…。サッポロポテトの原材料に使われている野菜をあてるクイズでは、全問正解したグループはありませんでした。
後半は楽しみにしているおやつ作り!!
カップにフルーツグラノーラとアイスを入れれば出来上がり、の気軽に作れるおやつでしたが、講座があった8月6日前後は酷暑が続いていたので、冷たいアイスとフルーツグラノーラの甘味と食感にほっと一息つきました。
講座終了後はメンバーからの質問タイムとなり、「スナックの袋は自社製造なんですか?」とか、「同じ名前の製品でも地域によって味が変わったりするんですか?」などの質問が出ました。カルビーの中で、1番の売れ筋商品も教えてもらいましたよ。
クイズを一緒に考えた後に食べたおやつは、カルビーの方がおっしゃったとおり、『こころの栄養』になったひとときでした。
〈メンバーの感想〉
- ふだん何気なく食べていたけど、色々知れて良かった
- 間食の量に気をつけて、カロリーの取りすぎに注意したい手作りのおやつがおいしかったし、楽しかった
ウォーキングに行きました
新型コロナウイルス感染症拡大防止対策として、デイ・ケアでは2020年4月から見学受付の一時中止、お試し通所の延期、通所メンバーの来所日数の制限や検温・体調の聞き取りといった対策とともに、プログラムの内容を『特別プログラム』という形に変更して実施しました。
今回は、特別プログラムで実施したウォーキングをご紹介します。
できるだけ“密”にならないよう間隔を空け、マスク着用、水分補給をしっかりしながらセンターの周辺をウォーキングしました。センターの周辺には鴨川が流れ、由緒ある立派な神社仏閣もたくさん!普段見慣れている道のはずですが、春〜初夏にかけての季節の移り変わりや、改めて触れる京都の歴史と文化に「うちのデイ・ケアってこんなに魅力的な場所にあったんだ!」と、毎回新しい発見と感動がありました。
行った場所を写真に撮り、デイ・ケアオリジナルマップを作りました!
春の鴨川は緑があふれ、歩くだけで気持ちいいです♪
深草にある瑞光寺の銭洗弁財天。ザルにお金を入れて洗うと金運アップ!御利益がありますように・・・。
こんなに空いている伏見稲荷大社は初めて!? まるで、雑誌の表紙の様でした。
なお、6月から見学の随時受付と、お試し通所を再開しております。
興味のある方は是非お問い合わせください。
作品展
第66期作品展を開催いたしました
当センターでは、毎期ごとに集大成として、作品展を開催しています。また、特に木曜日の創作活動のプログラムでは、毎期共同制作を行っており、今回は『海と宇宙』をテーマに思い思いの作品を作りました。1つ作品が加わると、それを見た他のメンバーから新しいアイデアが浮かび、また1つ作品が加わり・・・、世界が広がっていき出来上がります。毎回どんな世界感になるのかワクワクドキドキしながら楽しみに作っています!
OBや家族の方々、センターに来られていた方などにご来場頂きました。見に来て下さった方のコメントも温かく、また来期いい作品を作ってご覧頂こうと励みになります。
〈コメントから抜粋〉
- 個人の作品はそれぞれの個性があり、共同制作はボリュームがあってそれぞれすばらしい。
- どれも緻密な作品ばかりで、作成者の熱意が伝わってきます。
就業生活セミナー作品:『暑中見舞い』『デイケアの浴衣』
創作活動作品:共同制作『海と宇宙』
第63期デイ・ケア作品展を開催しました
デイ・ケアでは半年ごとに創作活動等の作品を一挙に展示しています。今回は風景画やオリジナルイラスト、宇宙を旅するような曼荼羅塗り絵、緻密な消しゴムハンコ、UVレジンのおしゃれなイヤリング、繊細な彩りのクロスステッチ、北欧風なマガジンラックなど、個性ほとばしる作品が勢揃いしました。全部を掲載できないのが非常に残念です。創作活動に知識や経験がなくても、毎週、ペン習字、木工、手工芸、美術の先生がプログラムで指導してくださるので、誰でも気軽に参加でき楽しく創作活動ができます。
今期は共同制作として「ドットの世界」を創作表現しました。絵なんか描けないという人も、ドットなら描ける、と皆さん楽しんで自分の世界を表現していました。ドットにはまりこんで点描画を極めようとする人、花のモチーフを追求する人など創作意欲がさらにかき立てられる人もいました。
他のプログラムで作成した共同制作の大織物も圧巻でした。長い布作りから機織りまでグループで協力し合った作品です。ハロウィンや正月のオーナメントも季節に応じた制作もありました。
演劇プログラム
デイ・ケアでは毎週木曜日の午後に演劇プログラムを開催しています。
約半年間かけて、テーマや脚本、演出などについて皆で意見を出し合い、立ち稽古を経て、3月末と9月末の発表会には演劇に参加していないメンバーや、退所者、ご家族の皆さん達にその成果を披露します。
今回の劇のテーマは『〜平成最後に皆で観よう!〜平成最後の浦島太郎物語』
もちろん普通の浦島太郎ではなく、浦島太郎をベースにしたデイケアオリジナルストーリーです。浦島太郎の恋の行方は!?亀をいじめた人物の苦悩とは!?など様々なテーマを盛り込み、竜宮城のユニークな生き物たちが動き回る笑いあり、涙あり、ダンスありのステージとなりました。
話し合う過程では、皆の様々な想いが交差し、意見をまとめるのも一苦労ですが、それだけに無事発表会を終え、全員でカーテンコールの拍手を浴びたときは、達成感で笑顔がこぼれました。
飛び入り参加したスタッフ。 見事大役を演じ終えてホッと一息・・・☆
小道具・衣装も手作りできるものはみんなで作ります!
音楽プログラムの様子
音楽プログラムで曲を作りました
66期の音楽プログラムでは、曲作りを行いました。最初に曲のテーマと、どういう曲にしたいのか、曲の雰囲気を決めました。みんなで意見を出し合い、テーマは「デイ・ケア」、曲の雰囲気は「明るいバラード」になりました。
次に、コード進行を決めました。メンバーそれぞれ、キーボード、ギターなど得意の楽器を使用し、「明るいバラード」にぴったりのコードを探していきます。
大まかなコードが決まったら、テーマに沿った歌詞を考えました。メンバーは思い思いの単語を出し、その単語を繋ぎながら、歌詞を作っていきます。世界の挨拶を入れたり、デイ・ケアあるあるを入れたり…。韻を踏んでいるところも作りました!
出来上がった歌詞に、コード進行に合わせてメロディーをのせていきます。この過程が一番、時間がかかりました!
メロディーと歌詞が決まったあとは、間奏や2番の歌詞を作り、曲にアレンジを加えていきます。音の強弱にもこだわって、いよいよ曲の完成です♪
完成した曲は、音楽プログラム以外のメンバーにも聴いてもらいました!大変でしたがアンコールももらって、達成感を味わえました!!
歌詞と楽譜は、第66期の作品展にも展示して、OBや家族の方にも見てもらいました。
デイ・ケアでは、“表現することの楽しさ”や“対人交流の広がりを学ぶこと”等を目的に音楽プログラムを開催しています。
音楽療法士の先生指導の元、様々な楽器を使った即興演奏や、図形を音にしたり体を使って音を表現したりといった自由な発想を取り入れた活動を行っています。また、プログラムの後半には音楽鑑賞の時間を設け、おすすめの音楽を皆に紹介して曲に対する感想や想いを話し合うこともしています。
上手に歌ったり、演奏をしたりする必要はありません。「楽器は弾けない」「音楽は苦手」という方でも気軽に参加していただけます♪
<♪参加者の声♪>
- いろんな音楽が聴けて楽しめた。
- 楽譜ではなく、リズム感で楽しめるので良い。
- テンポが良くてのれた。
- 眠いことがあるけど、音楽をやっていると目が覚める。人の好きな歌を聴いて“こういう歌を聴いているんだ”と知ることができるので楽しい。
- 音楽を聴くだけではなく、楽器に触れるというのも、別の視点から音楽に関わるという意味で大切だと思った。
パン作り
デイ・ケアでは月1回、プロの講師の指導のもと、パン作りのプログラムがあります。毎月、メンバーのリクエストや季節に応じたパンを作っています。
今回は『チーズスティック』を作りました。まず発酵した生地を定量にカットし、丸めてガスを抜きます。この丸める作業が簡単そうで実はちょっと難しいのですが、経験を積んでいるメンバーはすいすいこなしていきます。次に生地をひものように伸ばします。長いのも太いのもありますが、そこはご愛敬。焼いている時は小麦とチーズのいい香りが広がって毎回「おいしい!」と好評です。焼き上がったパンは皆で山分けし、家族と一緒に食べたくて大事に持って帰る人もいます。
パン作りは細かい作業が多いのですが、自然にコミュニケーションができる場にもなり、笑い声が絶えないプログラムです。
パン作りの例
マヨネーズパン バターボール シナモンロール カレーオニオンベーコンパン あんぱん メロンパン たこ焼きパン さつまいも蒸しパン 中華まんじゅうなど
その他数十種類を作っています
平成31年1月22日 就業生活セミナーで就労移行支援事業所に見学に行きました!
デイ・ケア退所後の進路の参考に、就労移行支援事業所「アスク烏丸オフィス」に 見学に行きました。
事業所へは、デイ・ケア最寄りの、くいな橋駅から地下鉄に乗って行きました。
「アスク烏丸オフィス」では、受けられる支援内容や就職するまでの流れ、働くときに大事なことなどをお話していただきました。その後、パソコン体験としてワープロ検定4級の問題に取り組みました。スタッフの方から丁寧に教えていただき、パソコンを使い慣れていないメンバーも真剣に取り組んでいました。
長く働き続けるコツや、病気についての開示などの質問が出ました。
〈参加者の声〉
- デイ・ケア退所後の参考になった
- パソコンは初めて使ったけど、親切に教えてもらえたのでよかった
- 就労移行支援事業所についてデイ・ケアのプログラムでは聞いていたが詳しくわかった
- わかりやすい説明と実際に見学して、今後が考えやすくなった
- 自分の体調を知って対応することが大切、自分の限界を知って対応することも大切
スポーツプログラムの様子
日常生活・就労の為に必要な体力づくりの一環として、スポーツプログラムを行っています!
誰でもできる簡単なゲームで体を動かしたり、チーム戦をしてチームワークを養えることも魅力の一つです!10月は公園でドッジボールやフリスビーなどをしました。爽やかな秋晴れの日で気持ちよかったです。気候の涼しい時には屋外で、雨天時・夏冬は体育室で、屋内バレーボールやミニテニスをしています。場所を変えると気分も変わりますし、「体力作りになった」「久しぶりで楽しかった」とリフレッシュにもなっているようです。
社会見学で伏見稲荷大社に行きました!
デイケアでは、外出のきっかけを作ること、興味の幅を広げることなどを目的に、半年に1回程度の頻度で社会見学を実施しています。
今回はコロナ禍ということもあり、大人数になるのを防ぐために日程を令和3年6月11日(金)と14日(月)の2回に分け、交通機関を使わずに徒歩で行くことのできる伏見稲荷大社に行きました。
通常プログラム内での“ウォーキング”でも稲荷大社まで行くことはありますが、“社会見学”という名目でたっぷり時間をかけて過ごすのは初めて!両日とも、比較的ゆっくりと散策したい『ゆっくり班』とたくさん活動したい『活動班』に分かれ、それぞれ稲荷大社を楽しみました。境内は人も少なく、有名な千本鳥居の写真を撮ったり、おもかる石(なんと抗ウイルス・抗菌加工!)の持ち上げを体験したり・・・。中には稲荷山の山頂まで登ったグループもおり、付き添いのスタッフが後にやってくるであろう筋肉痛におびえたのは言うまでもありません。
例年よりも早く訪れた梅雨の影響が心配されましたが、両日とも雨が降ることはなく、久々にみんなで外出ができ、良い気分転換になった1日でした。
社会見学 嵐山へ行ってきました!
11/9(金曜)に秋の社会見学へ行きました。嵐山オルゴール博物館では、中世ヨーロッパから伝わったオルゴールの歴史と美しい音色を聴きながら、精巧で、ロマンあふれるオルゴールを鑑賞させて頂きました!写真は、人間のようななめらかな動きや質感など、細部のディティールに拘って作られた月人形型のオルゴールです!「巻きタバコに火をつけると鼻から煙が出て、まるで雲間に浮かぶ月のようにみえる」というお話を聴きました(残念ながら、今は火をつける実演はしていないそうです)。
風情ある竹林を通り抜け、縁結びで有名な野宮神社へも参拝し、苔も綺麗でした!参道の露店を歩き見たり、雅な風景をカメラにおさめたり、メンバーお勧めのジェラート屋さんへも立ち寄り、皆それぞれ楽しんで過ごせたようでした。
〈メンバーの感想〉
- 「(月の人形の)オルゴールが印象に残った」
- 「やっぱりヨーロッパの文化はすごいと思った。日本人にはない発想だと思った」
- 「疲れたけど、皆と一緒に歩けたのが楽しかった」
- 「楽しかった。(とうふ味の)ジェラートが美味しかった」
- 「この夏は暑くてひきこもっていたので、外で活動できてよかった」
夏の社会見学に行きました!!
令和元年7月26日(金曜)に京都国立近代美術館で開催中の 「トルコ至宝展〜チューリップの宮殿 トプカプの美〜」に出かけました。
出発前にはパンフレットでトルコに関する予習をするメンバーもみられ準備も万端に出発。
梅雨明けの夏空を東山駅から10分程歩いて美術館に到着。
鑑賞は「じっくり鑑賞班」と「鑑賞後散策班」に分かれ、館内では思い思いのペースで自由に展示物を鑑賞しました。女性メンバーはエメラルドやルビーなどの宝石をちりばめた水差しや手鏡などにため息を漏らしつつ、またオスマン帝国の象徴として扱われたチューリップをモチーフにした装飾品や織物を丁寧に鑑賞しました。館内に2カ所設けられたギャラリーショップでは、絵はがきや・クリアファイル・アクセサリーや絵皿など綺麗な小物が置いてあり嬉しそうに見て回るメンバーの姿が見られました。鑑賞後散策班は近くのロームシアターを見学し涼を取りながら談笑して楽しい時間を過ごしました。
それぞれの感想を胸に、美術館を後に帰路につきました。お疲れ様でした!!
〈メンバーの感想〉
- 豪華な宝石類を沢山みることが出来、スルタンという単語も覚えることが出来ました
- 19世紀であの色合いを出せるのは凄いと思いました
- 綺麗でセンスが良い展示品がいっぱいで楽しめ、もっと知りたいことが増えました
- 豪華な装飾品が多く、時間があっという間に過ぎてしまいました
- マイペースに十分な時間をかけて見ることが出来て楽しめました
- 機会がないと来ることが出来ない貴重な経験が出来ました
コロナが収まったらやりたいこと
世界中でコロナ禍はまだ続き、日本でも第6波に向けて医療態勢を整えたり、3回目のワクチン接種も始まっています。デイ・ケアも感染予防対策のため、マスクをはずした状態でのおしゃべりを禁止したり、人との距離を取ったり、通所時間を制限したりと、人との交流をある程度抑えながらの活動が続いています。気持ちも何となく縮こまってしまいますが、自分の思いを発信したり、他の人の思いに触れる機会にしようと、みんなで寄せ書きをすることにしました。
寄せ書きのテーマは「コロナが収まったらやりたいこと」。書けるスペースは少ないのですが、まずはどんなやりたいことが集まったか、ご覧ください。
旅行や外食、マスクをはずしての行動等々、書いた人の好きなことが垣間見えて「この人らしいなぁ」と思ったり、「こういうことが好きだったんだぁ」と知らない一面に気づける寄せ書きが集まりました。中には「ぴりぴりした環境がなくなった状態で平穏に暮らしたい」といった、コロナ禍での世情をぴたりと言い表した寄せ書きもありました。
拡大したものがこちらです。
デイケアで実施しているウォーミングアップ特集!!
当デイケアでは、朝のミーティングや各プログラムの中でスムーズにプログラムに入っていけるよう、必要に応じてウォーミングアップをしています。
ウォーミングアップには、楽しみながら緊張をほぐし、意見などが出やすい雰囲気になるという効果があります。
出席しているメンバーの希望を聞きながら、ラジオ体操・簡単なストレッチ・卓球などの運動、また季節感を取り入れたクイズや頭の体操、無理なく自己開示が出来るゲーム等をやりました。
以下に、秋から冬にかけて実施したウォーミングアップをいくつかご紹介します。
最近は、コロナ感染対策の関係から、身体が触れあうようなゲームやトランプなどのカードゲームは制限されますが、工夫して盛り上がりながら楽しんでいます。
ある日の朝のミーティング
「秋」をお題に絵しりとり
キノコ→コマ→ウマ→マクラ
と、絵でしり取りをしていくホワイトボードを使ったゲームです。
思い通りに伝わる時もあれば、間違って伝わってしまう事もあります。
最後に全員で答え合わせをするときに「あ〜」「なるほど〜」「そうか〜」などと盛り上がる声が聞こえてきそうでしょ!
一文字変えましょう!!
冬の食べ物「みかん」からスタートして、文字の一文字だけを変えて、単語をどんどん変化させていく言葉の連想ゲームです。
自分の順番が来ても答えが見つからないとき、周囲のメンバーから「あっ!あるじゃん。わかった!」という声を聞くと、とても焦ってしまいます!
プログラム開始前のウォーミングアップ
サンタさんへの手紙
12月に入りクリスマスも近づいてきたと言うことで、一年の自分の頑張りと、サンタさんからのプレゼントとして欲しいものをカードに書きました。
自分自身の頑張りを振り返り、皆で発表しました。
新型コロナウイルス感染予防対策
新型コロナウイルス感染症拡大に伴い、デイ・ケアでは一時期、見学やお試し通所、調理プログラム等を中止したり、延期していました(2020年6月から順次再開しています)。
感染予防対策として、職員とメンバーの検温や体調確認、所内や使用物品の消毒・清掃等を現在も続けています。
今回はデイ・ケアで実施している感染予防対策の一例を紹介します。
活動中はできるだけ“密”にならないよう間隔を空け、マスクをもちろん着用しています。
最近は色々な機能やデザインのマスクがありますが、メンバーの着けているマスクと、マスクについてのコメントをご覧ください。
色鮮やかで
黒マスクもいいでしょ
妹が作ってくれました。
★鼻が高く見える(気がする…)のと、色味がお気に入りです★
初めて手作りしました!
マスクが品薄の時は、みんなで手作りしました
来所時と活動前後の手洗いも励行しています。
手洗いチェッカーを使って、洗えてない所がないか、自分で確認したこともありました。
利き手の甲が、洗えてないことが多いそうです。
プログラム終了後は、使用した物品やテーブル、イス等を使ったメンバーがその都度消毒しています。
メンバー帰宅後は、ロッカーや下駄箱、トイレ、ドアノブ、スイッチ等々、プログラム以外でも共用している所を含め、職員が消毒しています。
寒さは厳しくなりますが、換気にも注意して、感染予防しながらデイ・ケア活動を続けていきます!!
所内活動
デイケアでは、講師・スタッフが中心に行うプログラム以外に、メンバーの皆さんが話し合って内容を決めていく所内活動や自主活動も行っています。
この日は、所内活動で餃子を作ってお昼にみんなで食べました。
餃子作りの経験があるメンバーを中心に皮もなんと一部手作りしました!!みんな、とても上手くできました。
さぁ、具を包む作業。初めて具を包むというメンバーが多かったのですが、どれもそれなりに形になっていました。なかにはまるでプロのようにきれいな形を作っているメンバーも いました。
完成!!この日は200個ほどの餃子を作りましたが、もちろん完食です。おいしかった〜♪
入所式、目標設定
デイ・ケアでは年度の上半期が始まる4月と、下半期が始まる10月に入所式を行っています。学校でいえば始業式にあたる行事で、デイ・ケア担当職員や通所するメンバーの紹介を改めてしたり、前月の通所日数が多かったメンバーへの賞状(精勤賞)授与等を行います。
6カ月ごとにある行事とはいえ、今年度4月はデイ・ケア担当職員の交替もあり、入所式が通所初日というメンバーもいました。
新人はもちろん、ベテランのメンバーや職員も ちょっぴり緊張〜(^-^)
自己紹介では新たな年度に向けての抱負を発表するメンバーもいて、「これから新しい6カ月が始まるぞ!」と気持ちを新たにするいい機会となりました。
その新たな気持ちになった勢いで、通所目標も6カ月ごとに立てています。
当デイ・ケアは6カ月間を1クールとして、最長3年間利用できます。
入所式は4月と10月に行いますが、通所開始時期はメンバーによって違い、1月や8月から通所し始めたメンバーもいるので、デイケアを卒業する時期も個々で違ってきます。
「デイ・ケアを卒業する頃にどんな自分になっていたいか、何ができるようになっていたいか」を長期目標、 「長期目標を達成するために、デイ・ケアに通所している間に取り組んでみようと思うこと」を短期目標、
にしています。
自主活動の様子
デイ・ケアでは毎週金曜日の午後に自主活動というプログラムを行っています。
『メンバーのメンバーによるメンバーの為のプログラム活動』『皆で考えて皆で話し合って皆で準備して皆で運営する』というモットーで、メンバー主体となって計画・運営し、その名の通り、自主性を養うプログラムとなっています。
67期は、ハロウィンパーティー、チョコレートの銘柄当てゲーム、スライム作りなど、アイデアに富んだ催し物が楽しく企画・実行されました♪
10月はハロウィンパーティー!魔女やミイラ男に加えて、ウサギ、亀、パンダ、チャイナドレスなど、様々な仮装をしてお菓子を食べながら、さいころトークをしました♪(個人情報の関係で写真が後ろ向きなのが残念・・・)
2月14日はバレンタインにちなんでチョコレートの銘柄当てゲーム!自分が最初に食べたチョコの味を当てるというゲームですが、ブラックチョコをメインにそろえたため、難易度アップ!見事正解者が出たときは盛り上がりました♪(ちなみにスタッフは全滅でした 笑)
童心に帰って、懐かしのスライム作り♪ 様々な色のスライムができあがり、並べると綺麗〜☆ 中には、使う絵の具や配合を変えて“実験”をしてみる人も・・・。 計画時に来所していなかった通所者の為に、毎回次回の自主活動のお知らせを掲示しています。
<参加者の声>
- 普段家でできないことをデイ・ケアで遊べて良かった
- できるだけ自分たちでやることを決めて準備して自主性が育まれた
- 自分が提案したスライム作りをみんなが採用してくれて、みんなで調べてくれて嬉しかった。楽しかった。
デイ・ケアを卒業された方の声をいただきました!
この春「発達障害専門プログラム(コミュニケーションゼミ)」と創作活動のプログラムに参加されていた方がお一人、デイ・ケアを卒業されました。卒業にあたりデイ・ケアを利用されたきっかけやプログラム参加の様子など感想をいただきましたのでご紹介したいと思います。
コミュニケーションに苦手意識があり、家にこもりがちな私にとってデイ・ケアは外出や人との交流の機会であり、練習の場でもありました。
体調の不安や、困ったことがあってもスタッフさんが相談にのってくれたので、そういった点で、安心して通所が出来たと思います。
私は、創作活動とコミュニケーションゼミのプログラムを中心に参加しました。
創作活動は基本的には個人の作品作りですが、他の人が作る素敵な作品を見ることで、自分の創作意欲にもつながりましたし、作品が他の人と交流するきっかけにもなったと思います。また、講師の先生も丁寧に教えてくれるので楽しく作品作りができました。
〈創作活動での作品の一例 ♪ウッドスピーカー♪〉
コミュニケーションゼミは私にとってとても役に立つプログラムでした。
私の場合、大人になってから発達障害と診断されたので、発達障害や自分自身のことについてあまり理解できていませんでした。コミュニケーションゼミでは発達障害のことを知ったり、コミュニケーションについて学ぶことや他の人たちと困りごとや対処法を共有することで自分自身の理解を深めたりすることができました。
デイ・ケアで多くのことを学び、経験できたと思っています。退所後もそれらの知識や経験を活かしていけたら良いなと思っています。
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