第18回京都府がん対策推進協議会の開催概要について
1 日時
平成31年3月25日(月曜日)13時~15時
2 場所
京都ガーデンパレス 鞍馬の間
3 出席者(50音順) 19名
足立 英子 京都府連合婦人会 副会長
有本 与佐男 舞鶴市健康・子ども部次長(京都府市長会)
今西 美津惠 公益社団法人京都看護婦会 会長
岩野 修 京都府PTA協議会 理事
宇野 進 一般社団法人京都府薬剤師会 副会長
小笠原 英子 京都がんサロン レモンタイム 代表
倉澤 卓也 一般財団法人京都予防医学センター専務理事
黒田 知宏 京都大学大学院医学研究科 医療情報学 教授
栗岡 成人 京都府がん患者団体等連絡協議会 会長
栗本 芾子 京都市地域女性連合会 常任委員
竹中 洋 京都府立医科大学附属病院 がん征圧センター長
辻 真一 京都市PTA連絡協議会 副会長
中条 桂子 京都市保健福祉局保健衛生推進室 保健担当部長根岸
橋本 真由美 特定非営利活動法人キャンサーネットジャパン大阪事務局
冨士原 正人 一般社団法人京都私立病院協会 副会長
三宅 晴記 一般社団法人京都府歯科医師会 副会長
森本 泰介 一般社団法人京都府病院協会 副会長
安田 雄司 特定非営利活動法人京都禁煙推進研究会 理事長
山岸 久一 京都府参与
欠席者
大西 義弘 京丹波町保健福祉課長(京都府町村会)
坂下 勝子 株式会社京都放送 ラジオ編成制作局長
高折 晃史 京都大学医学部附属病院 がんセンター長
根岸 京子 京都たんぽぽの会 代表
松井 道宣 一般社団法人 京都府医師会 会長
渡邉 朋之 京都労働局 職業安定部長
4 議題や報告事項
・第二期がん対策推進計画について
・改正健康増進法及び京都府がん対策推進条例の一部改正、京都府受動喫煙
防止憲章の改正について
・全国がん登録について
・がん拠点病院の指定について
・平成31年度府予算について
5 主な意見
1 がん予防・がん検診の強化
・安田委員より参考資料の提出があり、NPO法人京都禁煙推進研究会の取組や個人タクシーにおける禁煙率の報告があった。
<たばこ対策について>
- 薬剤師会として、薬局に対して禁煙支援薬局数が増えるよう取り組みを進めている。
- タクシー・飲食店等については、来年4月から建物内禁煙となるので、今後1年間でいかに周知啓発するかがとても重要。
- 新型たばこへの対策が必要。最近では有害性に関するエビデンス等が出てきているので、行政として今までとは違った対策を考えていく必要があるのではないか。
- 「加熱式タバコ」の有害性について結論は出ていない。アメリカでは「加熱式たばこ」は販売許可がおりていない。「電子タバコ」については、日本では販売禁止ではあるが、個人輸入でニコチン入り「電子タバコ」を吸っている人もいる。
- たばこに対する知識が増えて、喫煙率が減ってきた。ようやくここまできたので、健康寿命延伸や医療費削減等を目指して、さらに対策をバージョンアップしていければいいと思う。
- 京都府は今まで受動喫煙対策は先を進んでいると考えていたが、東京都・山形県等にどんどん追い抜かれていると感じている。府は計画改定を予定しているのか。
→(事務局回答)
6年計画の折り返し3年の時点で見直しを検討している。
- 経過措置の飲食店に対して、4月1日施行までに全面禁煙への働きかけが必要ではないか。
→(事務局回答)
受動喫煙ゼロが府の目標である。小規模飲食店の取扱いはあくまで経過措置であり、まずは改正法についてきちんと理解していただけるよう京都府では約6,000件の飲食店に対して法改正等について個別通知を出し周知しているところ。
- 個人タクシーの喫煙率低下に向けて、観光客等がどんどん増えていくので、京都市地域だけではなく、府全域でどんどん進めて行ってほしい。
- 喫煙標示している飲食店には絶対入らない。ただ、タクシーに乗ってしまうとすぐ降りる訳にはいかないので、是非個人タクシーの禁煙を早く推進してほしい。飲食店についても観光客等の話もあるので、是非禁煙・受動喫煙対策を進めてほしい。
- 高校生に対して防煙教室をされているが、たばこの味を覚えてしまう前に教育するのはいいことだと思う。
- たばこに関してまだまだ対策が進んでいないと感じる。肺がんの原因はたばこだけではないが、たばこを絶つことがまずは重要ではないかと思う。府として推進してほしい。
<ピロリ菌対策について>
- ピロリ菌の対策について、高校に対してどのようなアプローチをしているのか。
→(事務局回答)
府立・市立・私立高等学校に募集を行い、校長会や保護者説明会、養護の先生の研修会等に参加して、必要性を周知しているところである。
<肝炎対策について>
- 肝炎コーディネーターについて薬剤師の役割についてあまりイメージがわかない。
→(事務局回答)
薬局に来られた方に肝炎ウイルス検査受検等のお声かけを対応していただくこと等を想定している。コーディネーターは啓発担当と医療担当の2つの役割を考えている。
- かかりつけ医に受診したついでに、肝炎ウイルス検査も実施すれば、かなり普及が進むのではないか。
- 肝炎が治った後も肝がんにならないような医療のフォローアップ体制が必要ではないか。
- コーディネーターの役割として、肝炎が治癒した後も定期的な検査が必要であると啓発してもよいのではないか。
<その他感染症対策>
- 子宮頸がんワクチンについて、男性にも接種する国もある。検討頂ければと思う。
<がん検診について>
- 市町村のがん検診の受診率が低迷している。がん検診の対象者の中で国保加入者は把握できるが、働いている方の受診状況を把握する方法がない。受診率向上対策として個別受診勧奨に力を入れている。不定期受診の方に対して個別通知をすると反応はいいが、何年も受けていない方に通知をしても反応は薄かった。今後も検証を進めていきたい。
- 市町村の役割として、がん検診の受診率を高めることが必要。無関心層についてどのようなアプローチをしていくか。ダイレクトメール等を出しているが、経費等もかかってくるため、京都府から支援があればありがたい。
- がん検診の精度管理について、肺がんや乳がん、胃がんのデジタル化が重要。要精検の精度をより高めるために、絶えず検証しながら取組を進めていきたい。
- がん検診の受診率も高くなってきていると感じている。肺がん検診もデジタル化されて早期に見つかる人も増えていると聞いている。
- PTAの活動の中で保護者会向けの研修会・講習会を実施しているので、がん検診等に関する講演会ができればと思う。
- PTA活動の中で、今年タレントのがん経験者を呼んで、がん闘病の体験談を話してもらった。検診を受けましょう、と紙で渡すよりも、体験談の方が効果は高いと思う。
2 がん医療体制の整備・充実
<緩和ケア・在宅医療・連携体制の強化>
- 緩和ケアについて、1、2年でどんどん進んできているように感じる。緩和ケアの需要がしっかりと認識されはじめている。ぜひ進めていってほしい。
- 終末期医療の方が増えてきている。家では大変なので,ホスピスに入りたいが、順番が回ってこないため、入る前に亡くなる方もいると聞いている。在宅医の数が少ないという問題もある。
- ようやくがん患者の口腔ケアの重要性の認識が広まっているが、緩和ケアの中に口腔ケアが推進されるよう啓発等を進めてほしい。
- 市町村での歯科検診事業は増えている。口腔がんについてはタレントの影響で関心が高まっている。口腔がんについては、初期段階から口腔外科医を入れてチーム医療を推進できるようお願いしたい。病院に歯科が少ないという課題もあるが、歯科医師会にご相談いただきたい。
<がん拠点病院>
- より多くの病院が京都府がん対策の輪に入れるよう拠点病院等の指定を広げてもいいのではないか。
<ゲノム医療について>
- ゲノム医療の保険適用は4月ではなく、6月になりそうであるが、いろんな形で支援していってもらえたらありがたい。
- 数値目標で示されているものだけではなく、叙述的に書かれている目標についても、経過を報告の中に入れていただきたい。
<がん登録>
- がん登録のデータが活用できるようになったので、京都府として施策を考えられる際にご活用いただきたい。
3 がんとの共生社会の実現
<就労支援>
- 就労支援について、がん治療をしながら就労をしている人は免疫力が高いように感じる。就労を継続する方への支援や事業主への教育が必要。就業が促進されるように啓発に力を入れてほしい。
<ピアサポート>
- ピアサポートはボランティアが多く、一人がしんどくなると回らなくなるなどの問題点があるため、ピアサポートを行政・病院等と協力して進めていきたい。
以上
【配布資料】
・次第(PDF:88KB)
・資料(PDF:2,321KB)
・参考資料(安田委員提出)(PDF:589KB)
・第二期京都府がん対策推進計画(リーフレット) 表面(PDF:893KB) 中面(PDF:718KB)
<参考>第二期京都府がん対策推進計画について