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更新日:2023年10月25日

ジル・クレマン氏の寄贈品について

 ジル・クレマン氏寄贈品

タイトル:「2つの象徴的な植物と1つの蝶」(Passiflora caerulea, Victoria regia, Heliconius melpomene)

トケイソウ(Passiflora caerulea)というつる植物がヨーロッパで知られるようになったのは、15世紀末にスペイン人がアメリカ大陸から戻ってからである。この驚くべき花を最初に観察したスペインの植物学者ニコラス・モナルデス(1493-1588)は、その構造がキリストの受難を完璧に要約したものと記述した。それ以降、イエズス会の宣教師たちはアメリカ原住民にキリスト教を広めるためにこの花をモデルとして使用した。

1.10枚の花びらは、ペトロとユダを除く使徒たちを表している。
2.5つの雄しべはキリストの5つの傷を表す。
3.雌しべの3つの柱頭は十字架の3本の釘を表す。
4.着色した72の花糸は、聖冠の72本の棘を連想させる。この数は定かではないが、聖典にそう記されている。

トケイソウ(300種以上)の種類や品種によって異なるが、花床を飾る30個の丸い斑点は植物の組織の中に現れたり、隠れたりする。それらはユダが裏切りの代償として受けとった銀貨30枚の象徴である。

しかし、これはキリスト教文化の読者による解釈である。ほかの観察者にとっては面白い大時計であったり、芸術的な日時計であったり、または「共進化」のメカニズムの中心にある永久変異の象徴であったりする。じつは、今日の生物学者たちはトケイソウが毛虫の攻撃にどのように反応するのかを観察することができた。トケイソウのつるに留まっている蝶ヘリコニウス・メルポメネ(Heliconius melpomene)。

5.この蝶は熱帯気候に生息する。気候変動により、この蝶がパリなどでも繁栄する日も近い。
6.ヘリコニウスの黄色い卵。もしくは、トケイソウが卵に似せてつくったこぶで、昆虫の勢いを抑えるための措置。

トケイソウの葉しか食べないヘリコニウス・メルポメネの毛虫がいなくなるように、トケイソウは自ら進化した。それに合わせて、美食者たちも防御装置を構築し、敵を欺くために変化したのだ。

ヘリコニウス・メルポメネの毛虫の捕食を避けるため、最初トケイソウは葉に毒素を作りだした。しかし、毛虫は毒の効果を打ち消す酵素を生成した。自暴自棄になったトケイソウは躊躇したあげく、葉に偽卵をつくり、蝶が卵を産みに来るのを阻止した。こうして、誇り高き蝶ヘリコニウス・メルポメネと星のような花トケイソウは有機的につながり、共生しています。アマゾンの熱帯雨林では、このトケイソウとヘリコニウス・メルポメネと同じように、「共進化」のメカニズム(ラマルク的進化論)によって生み出される新種の昆虫が常に誕生している。

 

アマゾンの熱帯雨林で自生するもうひとつの植物は、水に浮く巨大な睡蓮オオオニバス(Victoria regia)である。その浮水葉は、スイレン科の中でも類例をみない、立ち上がっている縁をもつ。この楕円形の構造は、葉身の盛り上がった部分にあるアーチ状の葉脈の結果である。それによってオオオニバスは、その中心に置かれたものを守るために設計されたお盆のようにもみえる。成長した葉は、破れることなく人間の赤ん坊を支えることができると言われている。

7.葉っぱの縁を垂直に保持するためにつながっている尖頭アーチの葉脈。

 

中村桂子氏の寄贈品について

中村桂子氏寄贈品

タイトル:「生命誌絵巻」
原案:中村桂子氏、協力:団まりな氏、絵:橋本律子氏

地球上に暮らす数千万種とも言われる多様な生きものは、すべて38億年ほど前に海中にいた祖先細胞から進化してきた仲間である。ゲノムを通して生きものそれぞれの歴史と相互の関係を知り、そこから「生きものの一つである人間」の生き方を考えるのが「生命誌」である。

「生命誌」の基本コンセプトを表現した絵巻。この中に入って、自然・生命・人間について考えると、人間はもちろん他の生きものも生き生き暮らす明るい未来が見えてくる。

問い合わせ

総合政策環境部脱炭素社会推進課

京都市上京区下立売通新町西入藪ノ内町

ファックス:075-414-4705

メールアドレス:datsutanso@pref.kyoto.lg.jp