中丹地域医療構想調整会議福知山市部会(令和元年11月7日開催)の審議概要
開催日時
令和元年11月7日(木曜日)14時から16時
開催場所
京都府福知山総合庁舎講堂
出席名簿
出席者名簿のとおり
審議の概要
議事
(1地域医療構想の取組の推進について
京都府健康福祉部医療課から、資料「当面の地域医療構想の推進に向けた取組について(厚生労働省)」により説明
- 今回の国公表は、全国一律の基準による機械的な分析に基づき一方的に公表されたものであり、地域住民に誤解や不安を与える結果となったことから、京都府として、直ちに国へ抗議を行うとともに、全国知事会を通して、地方と丁寧に協議しながら検討を進めるべきとの意見を申し入れた。
- 京都府内の病院についても、難病等の専門性や在宅医療やリハ機能を有する病院が公表対象となった。国は、公表の方法が不適切であったことを認め、直ちに統廃合を求めるものではないとの意向を示すとともに、公表の経過や目的について説明責任を果たすため10月17日を皮切りに地方との意見交換会を開催され、去る29日に近畿ブロックの意見交換会が開催されたところである。
- 今回の公表の目的は地域の議論の活性化であるとの説明だったが、改めて国に対し、地域における議論の結果を尊重するとともに、地方と十分に協議するよう意見を申し入れたところである。
- 今後も、地域医療のあり方を検討するという方針のもと「地域医療構想調整会議」において地域の実情を踏まえた地域医療体制、病床機能等について丁寧な議論を進めていきたいと考えており、引き続きご理解ご協力をお願いしたい。
主な発言
- 京都府の意見に、大変同感であり、申し入れがあったことに対し、安心している。
- 地域医療体制、病床機能等については、地域医療構想調整会議で議論していかなければならない。
- 国のマーカーについて、地域密着型の病院を評価するマーカーではなく、急性期のマーカーを用いているため、地方の医療体制を考えることが出来ず、稚拙に感じる。
- 公表のあったことに対し、市民から不安な様子などは直接病院の方に入ってはいない。
(2)医療と介護の連携に関するアンケートの集計結果と今後の取組について
事務局から、資料1により説明
主な発言
- 京あんしんネット等を使った多職種連携、医療においては、特に口腔ケアに対して、市民にも入ってもらい具体的な取組を進めている。
- 訪問看護、訪問介護の数も少ないのが現状であり、なかなか在宅での対応も難しくなってきている。
- 入院前後の口腔ケア、手術期の口腔ケアなど、市民病院とともにシステムを構築し取り組んでいる。
- かかりつけの薬局が不明な場合は、お薬手帳や処方時の薬の情報紙により、かかりつけや、よく利用する薬局を確認するなど、こちらからもケアマネジャーに働きかけを行いたい。
- 病院勤務について、三交代の勤務も多いが、今後はワークライフバランスについても考えていかなければならない。
- 在宅医療の課題について、がん患者など高度な医療知識を求められることも増えてきており、地域に根ざす観点から、知識を高めていかなければならないという部分も出てきている。
- 訪問看護で一番在宅のところで困るのは、ターミナルの利用者について、痛みや苦痛のコントロールがうまく図れない時であり、看護師としてはどう対応していくか困難を極める。また、マンパワーが非常に足りない。一年一年、年を重ねていくので、体力的に続けることが難しいという課題についてどこの管理者も頭を悩ませている。
- 居宅介護支援事業所の管理者が主任ケアマネジャーという要件をクリアできない事業所が出てきそうであり、ケアマネ事業所の継続事態が困難であるという状況が生まれつつある。現状業務をしている事業所においても、新規の受任が困難になってきているので、しばらくお待ちいただくこともあり、がんの末期の患者で早く在宅に戻りたい場合など大変心苦しい思いをしている。
- 身寄りのない方が非常に増えてきており、そうした患者が在宅に復帰することも増えてくることから、地域包括においても多職種での支援を考えていく必要があると思っている。
- トータル的には在宅を考えていただける医師が増えており、相談しやすくなったと感じている。
- 老健では、受け皿として施設入所と、在宅復帰に分けてやっているが、認知症の人については、入所により生活の場からいったん離れて、しばらく経過することから、在宅復帰がまた新たな生活環境となってしまい、かなり難しくなる。
- 骨折の方が入院されてそのあと退院され利用してもらう場合、医療の情報としては、整形だけの情報が独り歩きしており、老健に入所してから全般の状況を診ることとなり、改善できればと考える。
- ヘルパーの人材不足であり、70歳代のヘルパーがかなり多く、次の世代への育成が出来ていない。募集しても人材がない状況である。また、要支援の利用者の依頼がかなり増えているのが現状であり、支援の人が徐々に介護度が上がるにつれて、訪問回数増えてくるのでヘルパー不足の中での対応が困難になるのではないかと考える。
- 訪問入浴についても、看護師を募集してはいるが、なり手がない状況である。
- 病院では、ケースワーカーも含めて、在宅あるいは施設へスムーズにいけるようなチームを作っている。
- がん患者の場合、在宅復帰の困難性が高い方などを中心に、在宅ケアチームを組織しており、退院後、訪問診療を行っている。
- この地域の医療の実感として、急性期の医療提供体制に関しては、ある程度のレベルで十分に質量ともに提供体制が整っているが、慢性期、在宅に関しては極めて厳しい状況である。
- 病院においても、看護師の養成に力を入れているが、出産等により職場を離れる人も多く、また家族の転勤等で離れる人もあって、急性期の病院でも充足するのがなかなか難しい。
- 最近は手のかかる人、喀痰吸引の人など、看護師、介護士の手が多くかかる人が増えており、いいかえれば慢性期の最期を病院で迎える患者が非常に多くなっている印象がある。
- 老健入所のままで看取りになる方も近年少し増えてきている。療養病棟が準一般病棟のようになっており、点滴治療の人が多い。
- 以前は、地域との連携の中で患者を支えてきたが、最近高齢化により、周りの人を巻き込み、地域で支えることが難しくなっている。
- 認知症治療病棟に関しては、2、3カ月でマッチングして退院することになっており理想的な形となるよう努力しているが、高齢者が地域に入るとなると施設含め大変なことなので理想的に対応となるよう努力が必要である。
(3)京都府地域包括ケア構想(地域医療ビジョンの実現に向けて)
1医師確保計画の外来医療計画について
京都府健康福祉部医療課から、資料2により説明
- 当計画は、国ガイドラインに沿って本年度の策定を進めるもので、診療所等の外来医療を中心とした内容であり、診療所の開設が都市部に偏在している課題、機能分化が進む外来医療に関して医療機関間連携が実質的に医療機関の自主的な取組に委ねられている課題に対し、外来機能にかかる情報を可視化し提供することで行動変容、偏在是正、医療機関連携等に繋げることを目的としたもの。
- 京都府医師確保ワーキングでは、在宅医療機能が不足していることを踏まえ、多数区域における新規開業者に求める事項として、医師会、関係団体等と連携して在宅医療に係る研修参加等、誘導してはどうかとの意見が上がっており、その他、可視化する情報について、ご意見をいただきたい。
- また、医療圏ごとに外来機能について検討するに当たり、どの圏域も共通して不足する在宅医療はもとより、学校医、産業医等、地域に不足する医療機能への方策、医療機器の共同利用等について、現状等踏まえながら検討を進めていただきたい。
- 当計画は今月中に各圏域調整会議においてお示しした後、12月府議会で中間案を報告、12月下旬から1月初旬までパブコメ実施予定。
主な発言
- 治療、検査について、医療ニーズが少ないにもかかわらず、圏域ごとに同様の人員配置、医療機器や専門的な検査機器などを据えるのはどうか。本当は拠点化して本来あったところでやっていくべきであって、こういう形で議論していてはミスリードして医療経済に合わない
2 病床機能報告の京都方式による分析結果について
京都府健康福祉部医療課から、資料3により説明
3 高齢者の保健事業と介護予防の一体的実施について
京都府健康福祉部高齢者支援課から、資料4により説明
4 療養病床の転換意向について
京都府健康福祉部高齢者支援課から、資料5により説明
5 京都府地域包括ケア推進機構の取組について
京都府健康福祉部高齢者支援課から、資料6により説明
配付資料
次第(PDF:39KB)
名簿(PDF:93KB)
資料「当面の地域医療構想の推進に向けた取り組みについて(厚生労働省)」(PDF:2,180KB)
資料1(アンケート総括)(PDF:139KB)
資料1(アンケート集計(医療連携室))(PDF:655KB)
資料1(アンケート集計(居宅介護事業所))(PDF:748KB)
資料1(アンケート集計(地域包括支援センター))(PDF:645KB)
資料1(アンケート集計(訪問看護ステーション))(PDF:673KB)
資料2(PDF:181KB)
資料2(資料編)(PDF:5,543KB)
資料3(PDF:205KB)
資料3(病床機能報告)(PDF:122KB)
資料3(主な疾病別の入院患者の流出入の現状)(PDF:262KB)
資料4(PDF:878KB)
資料5(PDF:191KB)
資料6(PDF:164KB)
資料6(退院支援等状況調査票)(PDF:147KB)
参考資料1(PDF:238KB)
参考資料2(PDF:1,047KB)