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更新日:2026年7月9日

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ジビエ料理による食中毒予防対策について(飲食店営業者向け)

 

近年、ジビエ振興の広がりとともに飲食店においてジビエ料理の提供が増加しています。
ジビエ肉の特徴として高温で加熱することで硬くなりやすいことから、低温調理が行われることがあります。
一方でジビエ肉は牛や豚等の肉と比べ様々な病原体により汚染されている可能性が高いとされています。
そのため、ジビエ肉の不十分な加熱調理や取扱い不備により食中毒を起こす可能性が高いため、加熱方法や取扱いに注意した衛生管理を行いましょう。

ジビエに潜む主な病原体と対策

病原体

病原体(※1)

症状等

E型肝炎ウイルス(※2)

平均約6週間の潜伏期間の後、腹痛、黄疸等を呈し、まれに死亡

寄生虫

(※3)

住肉胞子虫(※4)

(ザルコシスティス)

嘔吐、下痢

旋毛虫

(トリヒナ)

下痢、筋肉痛、眼瞼浮腫等を呈し、重症の場合は呼吸困難、脳炎、
心不全等を呈し死亡

細菌

病原性大腸菌

下痢、まれに死亡

カンピロバクター

嘔吐、下痢、まれに死亡。時にギランバレー症候群を発症

サルモネラ

嘔吐、下痢


※1紹介している病原体は、ジビエがもつ病原体の一部にすぎず、野生動物であるジビエにどのような病原体がいるのかは未知の部分があります。
※2E型肝炎ウイルスはノロウイルスと構造が似ており、エタノールは十分な消毒効果が得られません。
※3寄生虫は熱に強く、低温調理では死滅しない可能性があります。冷凍処理により死滅する寄生虫もありますが、旋毛虫(トリヒナ)は死滅しません。食中毒を防ぐには十分な加熱が必要です。
※4京都府の食品検査によれば、府内で処理されるジビエ肉は高確率で感染しています。

対策

  • 他の食材を汚染しないように、ジビエ肉は密封容器でドリップが垂れないように保管する。
  • ジビエ肉の取扱い時、手指に傷がある場合は、傷口から感染しないように手袋をする。
  • ジビエ肉の取扱い後は、器具や作業台を洗浄・消毒する。E型肝炎ウイルスのようにエタノールでは消毒効果が不十分な病原体もあるので、塩素消毒または熱湯消毒を行う。
  • 中心温度計は交差汚染防止のため、使用の都度消毒する。
  • ジビエ肉を触った後は、作業途中であっても、手洗いをし、手袋は交換する。
  • 調理後は速やかに提供するか、急速に冷却して冷蔵保管する。

ジビエ料理に必要な加熱条件

ジビエの調理では、中心部を75℃で1分間以上の加熱が必要です。これと同等の条件として、
「70℃・3分」、「69℃・4分」、「68℃・5分」、「67℃・8分」、「66℃・11分」、「65℃・15分」
があります。(厚生労働省「野生鳥獣肉(ジビエ)に関するQ&A」より)
また、ジビエと同様にE型肝炎ウイルスの汚染リスクのある豚肉は「63℃・30分」と同等の加熱が必要とされています。(厚生労働省「豚の食肉の基準に関するQ&Aについて」より引用)
特に低温調理をするときには、条件を満たした加熱が出来ているか注意が必要です。

加熱条件の設定について

目視での加熱状況の確認は困難

次の写真は保健所で検証した4cm四方の鹿モモ肉を65℃のお湯で湯せんしたものの外観と断面です。

比較

豚肉の加熱調理の基準を参考に、中心温度63℃・30分を加熱条件として確認をしました。
Aは中心温度が63℃に達してから25分加熱したもの、BとCはそれぞれ30分、40分加熱したものです。
この中でAは加熱条件を満たしていませんが、BとCは満たしています。
断面の見た目で加熱が出来ているかを判断できるでしょうか?
特に低温調理おいては加熱できたかの確認は目視ではできません。

条件を満たした加熱ができているかを判断するには、中心部の温度測定が不可欠です。

「中心部」の温度の確認が最も重要

表面、オーブンの設定温度、湯せんのお湯の温度などでは中心部の温度を確認することはできません。中心部の温度の確認には中心温度計を使用して確認しましょう。

オーブンや湯せんでの調理において中心部の温度を何度も測定することが難しい場合には、事前に条件を満たす加熱方法を検証して、確実に加熱できる方法で調理しましょう。

肉の大きさ・厚み、加熱開始時の肉の品温(冷凍・冷蔵・常温)、1回の調理量(オーブンなどに入れる量)などが変わると中心温度の上がり方は変わるため、いくつかのパターンを想定してパターン別に検証しましょう。

中心部が目標温度に到達するには時間がかかります

保健所で行った検証では、5℃・4cm四方の鹿モモ肉を65℃で湯せんしたとき、中心温度が63℃になるまでに約35分かかり、65℃には到達しませんでした。

グラフ

オーブンなどの温度設定だけでは十分な温度と時間に到達しない可能性があります。
・目標温度より高い機器等の温度設定
・中心部が目標温度に到達するまでの時間
・加熱時間を十分確保できる加熱時間設定
の3点に注意して調理方法を設定しましょう。

HACCPの考え方を取り入れた衛生管理を実施

中心部の加熱が十分できているかは重要管理点ですので、調理毎の加熱温度や時間について記録しましょう。
さらに、検証記録は加熱条件を満たさなかった結果も含めて保存しておき、実際の調理記録と検証をもとに点検や見直しを定期的に実施することがよりよい衛生管理につながります。

HACCPの取り組み

ジビエ特有の注意点だけでなく、安全な食品の提供のため、HACCPによる衛生管理が重要です。
業界団体が作成した手引書が公表されています。
HACCPの取り組みを充実させ、衛生管理向上に努めてください。

 

関連情報

その他の食中毒対策については、次のページを御覧ください。

お問い合わせ

中丹広域振興局健康福祉部 中丹東保健所

舞鶴市字倉谷1350-23

ファックス:0773-76-7746

chushin-ho-higashi-kikaku@pref.kyoto.lg.jp