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本病の発病適温は15度以下で11月から4月まで発生します。幼木園は弧状仕立て園より発病しやすく被害が大きくなります。強風や降霜により発生が助長されるほか、窒素施用量の多い茶園や未完熟堆肥を施用した茶園で多発しやすくなります。
葉の病斑 |
茎の病徴(幼木) |
新葉に病原菌が侵入し発病します。降雨により発病が助長されます。二番茶、三番茶で発生が多くなります。感染から初期症状が現れるまで20日程度かかるので、発病がみられるまでに摘採されます。
病斑 |
病原菌は摘採などで生じる傷口から感染します。二番茶、三番茶で発生が多くなります。輪斑病菌には新梢枯死症を引き起こすものもあります。
病斑 |
ツボ状に発生し新葉が黒褐色に腐敗します。6月から9月に長雨で湿潤な日が続くと発生しやすくなります。
発生状況 |
京都府では越冬休眠していた雌成虫は3月頃から活動を再開し産卵を開始します。春から秋にかけて新葉および古葉を加害します。
コロニー |
若虫 |
新芽の寄生状況 |
新葉に寄生します。体長0.1ミリから0.2ミリと小さく、多発すると葉が萎縮します。周年発生します。
チャノナガサビダニ成虫 |
チャノサビダニ成虫 |
新葉に寄生します。体長0.2ミリから0.3ミリと小さく、多発すると葉が萎縮し、新梢の生育が阻害されます。夏から秋に発生しますが、近年は初夏から多発することがあります。
コロニー |
新梢の被害 |
幼虫は新葉を縦に綴りあわせたり古葉を数枚重ねあわせたりし、綴った葉の中で食害します。多発すると減収します。卵塊は黄色く葉の裏面に産卵されます。近縁種にはチャハマキがいますが、京都府での発生はごく少ないです。
チャノコカクモンハマキ雌成虫 |
チャノコカクモンハマキ幼虫 |
チャハマキ雌雄成虫 |
幼虫は新葉を三角形に折りたたみ、その中で大量のフンをします。これがお茶に混ざると水色(すいしょく)や味が悪くなり製茶品質が低下します。三角巻葉の発生がみられはじめたら摘採を早めるとよいですが、覆下栽培では萌芽から摘採までの期間が長くなるため、被害が生じやすくなります。
三角巻葉(写真中央) |
チャエダシャクは年1回発生し一番茶萌芽前後から幼虫が食害をはじめます。ヨモギエダシャクは年3回から4回発生しますが食害が問題になるのは夏期以降です。
チャエダシャク幼虫 |
ヨモギエダシャク幼虫 |
夏から秋にかけて新芽を加害します。被害葉には褐色の条痕が生じ、ひどい場合は芽の生育が止まります。
成虫 |
新芽を加害します。本種の加害により葉脈は褐変し葉色は淡くツヤがなくなり、新梢の伸育が止まります。加害されると製茶品質が低下します。
成虫 |
新梢の被害 |
成・幼虫が若葉や開葉前の芯を加害し、芽の生長に伴って葉に不整形の穴があきます。茶園周辺の雑草等でも増殖するので除草が重要です。
被害葉 |
てん茶(荒茶)の被害 |
ここ数年、多発しています。枝や幹に寄生して吸汁加害し、ひどい場合には樹が枯れます。京都府での平均的な幼虫のふ化時期は5月下旬から6月上旬、7月下旬から8月上旬、9月下旬から10月上旬で、この時期に防除を行います。防除適期を逸するとロウ物質(カイガラ)をかぶるので農薬がかからなくなり、防除効果が低くなります。
寄生状況 |
雌成虫および卵(かいがらをはがしたところ) |
雄成虫と雄繭 |
2004年に京都府で初めて確認された新害虫です。成虫は年間3回から4回発生します。幼虫は葉裏に寄生し吸汁加害します。幼虫が排泄した甘露がすす病を誘発するため、下葉が黒くなります。
これまで「ミカントゲコナジラミ」と呼ばれていましたが、「チャトゲコナジラミ」と名称が変更になりました。
新葉に群がる成虫 |
幼虫の寄生状況 |
すす病 |
幼虫が秋に根を食害すると一番茶芽の生育が不良となり、ひどい場合は新芽が出なくなります。京都府では山城南部で発生がみられています。
成虫 |
成虫が夜間に新梢の茎や葉身を食害します。被害が多いのは9月から10月ですが、5月から6月にみられることもあります。京都府では山城地域の一部で発生が認められています。
成虫 |
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