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基本テーマ
20世紀の日本は、経済優先・物質優先で進んできた。しかし今、一人ひとりの価値観が多様化・複雑化する中で、私たちの多くはそれで本当に幸せになれたのだろうかと感じている。21世紀を迎えて、明るさが見えはじめたものの、景気や雇用が回復し、暮らし向きがよくなったと実感で きる状況には至っていない。また、SARS(重症急性呼吸器症候群)や高 病原性鳥インフルエンザなど新たな感染症や自然災害の発生、地球環境問題、食品安全問題、犯罪の多発・低年齢化・凶悪化、地域コミュニティ(地域共同体)の希薄化、さらには全世界的なテロの多発など、生活や社会に対する新たな不安感を高める要因も見られる。
このような時代の中、京都府では、これまでから、「むすびあい、ともにひらく新世紀・京都」を府政推進の基本理念とする「新京都府総合計画(新府総)」をベースとして、「人」と「人」との結びつきはもとより、京都が有する多彩・多元な「ひと・まち」が出会い、ネットワークを形成し、京都の特性・個性を活かす京都府づくりを進めてきた。この基本理念を踏まえ、平成17年度も平成16年度に引き続き、「人がいき、産業が活き、自然が生きる『人・間(にんげん)中心』の京都府社会を築く」を基本テーマとし、府民の目線、特に社会的に弱い立場にある人々の目線に立ち、現地・現場で京都らしく「支え」ていくことにより、一人ひとりの尊厳と人権が尊重され、府民が安心して暮らすことができる京都府づくりを進める。
平成17年度においては、府民が安心して暮らせるよう、地方主権、地方自立への潮流が加速していくことも見据え、「府民発・府民参画・府民協働」の行政をさらに積極的に推進するとともに、地域課題や多様な府民ニーズに的確に応え、地域に最も適合した施策展開や施策組合わせによる地域最適状態の実現を目指す。
具体的には、府政の重点課題を
(1) 治安の悪化、食に対する不安、災害や環境問題等に対応する「安心・安全づくり」
(2) 児童虐待、不登校問題、少子高齢化社会等に対応する「人・地域づくり」
(3) 産業創成・経済再生等に対応する「活力づくり」
(4) これら施策を支える「交流基盤づくり」
の4分野に大別し、効果的に対応することにより、他のどこにもない 「京都ならでは」の良さや強みを引き出す。京都は、これまでから、厚みのある歴史・文化や豊かな自然など多彩で魅力ある資源に恵まれた環境の中で、変わらないものを守りながら同時に新しいものを取り込み、融合させ、新しい価値を生み出し続けてきたし、これからも日本海を通じた東アジアとの連動の中からの新たな発展が期待できる。私たち京都 府は、これら京都の良さ・強みをさらに京都らしく「伸ばし」ていくことにより、府民が自信と誇りを持って暮らすことができる京都府づくりを進める。
以上の考え方を踏まえ、府政における各重点課題に対応していく上で、 特に打ち出すべき重点施策(各広域振興局で今後策定する予定の「地域振興計画」等における重点施策などを含む)の具体例、及び施策の立案や改善に向けて個別に留意すべき視点を次のとおり提示する。
まちの安心・安全力の向上
食の不安の解消
脱温暖化・循環型・自然共生型社会の構築
総合的な危機管理体制の構築
京都ならではの活力ある産業の創成
地域経済の再生
多様化するニーズに応じた雇用対策と労働環境の整備
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