丹後広域振興局
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大手川改修に伴う宮津城祉の発掘調査を行ったところ、宮津小学校校門の西側の調査箇所において南北方向の石垣(約12メートル)が見つかりました。高さは約1.3メートル(本来の高さは2メートル余りと推測)で、石垣の構築方法から慶長年間(1596年から1615年)に築かれたものと考えられるそうです。
今回、発掘された石垣は写真等により記録保存した後、石材については今回の改修で護岸に再利用することを検討しています。
発掘箇所(写真左)と発掘された石垣(写真右)
8月20日の13時から17時に「大手川に『自然と親しむ空間』を作ろう!」ワークショップ第1回を宮津市保健センターで開催しました。
これは大手川の中流部において、蛇行区間の改修により広くなる河川敷の有効利用を検討していくものです。具体的には、生き物にも配慮した川とふれあえる空間の整備について、みなさんで意見を出し合って検討していきます。
今回は河川敷の利用の方向性について話し合いました。これをふまえて次回から各項目について具体的な案を出し合って検討を行っていきます。
ワークショップの状況
大手川の河川整備計画の変更が8月25日付けで京都府公報に告示されました。
従来の整備計画からの変更点は以下のとおりです。
(整備区間)
(変更理由等)
縦覧希望者の方は京都府土木建築部河川計画室及び丹後土木事務所災害対策室に直接お越しいただくか、京都府ホームページの「京都府の河川・海岸」に整備計画を掲載していますので、自由に閲覧することができます。
第3工区のイメージパース
多様な生態系の重要性について(その2)
今回は大手川における生態系保全の具体的な取り組みについて報告します。
河川は上流から下流、河口といった縦断方向と、河川から周囲の田園、里山までといった横断方向の2つのネットワーク(連続性)を形成しています。
大手川では、縦断方向の連続性を確保するため、川の中に落差を設けず、代わりに魚道ブロックというものを設置します。これにより海や川を行き来するアユやウナギといった回遊魚、カワムツなどの泳ぐ力の強い大中型魚、ヨシノボリ、チチブなどの底生魚や泳ぐ力の弱い小魚など、すべての魚類が自由に行き来できる住みやすい川を目指します。
水際から堤防、周辺の田や林地への横断方向の連続性を確保するため、堤防護岸はできるだけゆるい勾配とします。護岸の上には現地の発生土をかぶせることにより、在来植生の早期の回復を目指します。
川沿いの樹木は出来るだけ残し堤防と連続させます。
また、護岸の勾配がきついところでは、すき間の多い護岸を用いることにより、そこに草が生えたり魚の隠れ場や昆虫など小さな生き物の住処ができ、それらをエサとする生き物も集まってくることで、多様な生態系を保全します。
これらの取り組みを行うにあたっては、ワークショップ形式などにより住民の皆様の御意見を反映し、より良い川づくりをしていきたいと考えています。
参考文献:「中小河川における多自然型川づくり」
【床止め】
コラムで縦断方向の連続性の話をしましたが、その話に関連して今回から3回連続で河川の横断工作物の説明をしたいと思います。
川の中には、治水や利水を目的として、川の流れを遮断する工作物が多く造られています。ダムや堰などのこういった構造物は、一般的に「河川横断工作物」と呼ばれています。今回はこの中から「床止め」について説明します。
「床止め」とは、流水による河床の洗掘を防止し、河床勾配(上流から下流に向かっての川底の勾配)を安定させるために、河川を横断して設けられる構造物です。一般的には、コンクリートで造られていますが、石造りのものもあります。「床固め」という場合もありますが、基本的に機能は同じです。落差のあるものを「落差工」といい、落差のないものを「帯工」といいます。
河川改修工事で放水路などによる河道の付け替えにより、もともとの安定的な河床勾配が変えられたり、上流域の急勾配河川で河床勾配を緩める場合に設置されます。床止めの最大の問題点は、河川内の上下流方向における生物の移動の支障になるということですが、大手川においては様々な方法により問題点の解決を進めます。
(写真) 二級河川世屋川(宮津市)
河床の安定とともに生態系にも配慮し、魚道を併設した床止めを整備
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