丹後広域振興局
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地域の人々が天橋立をふるさとの財産として誇りを持ち、自分の言葉でその価値を語れるように、価値の共有共感を図る取り組みとして、地域住民を中心とした学習会「天橋立まなび舎塾」(第3回)を開催しましたので、その概要をお知らせします。
まず最初に丹後土木事務所企画調整室から「丹後天橋立大江山国定公園」について説明しました。
「丹後天橋立大江山国定公園」については、平成19年6月29日に中央環境審議会の答申を受けて、新規指定としては17年ぶりであり、初の京都府の地域名称を冠した国定公園として平成19年8月3日に誕生しました。
この国定公園は、丹後半島海岸地区、世屋高原地区、大江山連峰地区からなり、それぞれに「天橋立」、「琴引浜」、「カマヤ海岸」、「上世屋集落」、「大江山連峰」など、多種多様な自然環境を残しており、これからも地域の宝物として守っていかなければならないものです。
また、天橋立の世界文化遺産登録にも深く関連するものであることから、その価値を皆で共有し取り組んでいく必要があること等について説明をしました。
続いて、佛教大学文学部教授 植村善博(うえむらよしひろ)氏より「天橋立の自然と景観美」と題して講演を行っていただきました。
植村教授からは、天橋立に近接する山田断層と天橋立との関わりや2万年前の太古では海面が今より100メートルも低かったが、地球の温度上昇により海面が上昇し、その過程の中で今の天橋立の場所に砂州が形成されだし、現在の天橋立の形態となってきたのは海水面が安定しだした概ね2,000年前ほどであると考えられることなどについて詳しくご説明をいただきました。
また、植村教授は宮津市史の編集や台風23号の宮津・与謝地域での水害の調査等にも関わっておられ、宮津市の地質や形状から水害や災害に関する考察などを説明いただきました。
特に、宮津市の本町通り周辺が天橋立と同じように砂州のような形態をしており、若干周囲より高いことから、大手川を氾濫した洪水が特に上流域で被害を拡大しやすいことについては、宮津市に住んでいても知らない方も多いのではないかと正直驚きました。
植村教授からのお話で、地域の土地の形状がどのようにして過去から成り立ってきたのかを理解することが、これからのまちづくりや防災対策などに非常に参考になることであると改めて気づかせていただきました。
地域の宝物である天橋立が礫を主体として成り立っており、それが阿蘇海と宮津湾の微妙なバランスで出来上がった神秘的な砂州であること、磯清水に真水がわく不思議など、天橋立には歴史的にも文化的にも地質的にも、まだ多くの謎と不思議な魅力を備えていることを再認識したところです。来場者の多くもそのような感想を持たれたのではないでしょうか。
私たちは、これからもその不思議で魅力いっぱいの天橋立を深く知り、守り、子々孫々まで残していく必要があります。
これらのことについて、更に多くの人に知っていただき、価値を共有し、協働して取り組んでいきたいと考えておりますので、関係各位の更なるご理解とご協力をよろしくお願いしたいと思います。
今回までの3回も非常に興味深い話がありましたが、まだまだ興味は尽きません。第4回・第5回と充実した内容が続きます。
会場で聞いていただくと十分満足していただけると思います。是非、ご来場いただき天橋立の魅力に触れていただきたいと思います。
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